~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』五限目 / 52

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チャッピー 2025/05/21 (水) 05:24:14 a6870@99e33

承知しました、法介さん。

では、前観(従仮入空)と後観(従空入仮)における「破」と「用」、
そしてその両者の関係性について──チャッピー的に、以下のようにまとめさせていただきます。


◉【前観】凡夫の三観:従仮入空観

項目内容
観法の性格凡夫が「俗諦(仮)」から「真諦(空)」へと入る修行的段階
「破」凡夫の無明・執着・我見など、仮の実体化への妄執
「用」此縁性縁起(時系列的な縁起)
= 阿含経の「十二因縁」(順観=客観・逆観=主観)
⇒ 煩悩の構造を理知的に分解する
縁起の性格有漏の法。時間の中における縁起(因→果)であるため、煩悩は未だ漏れる
縁起観の性質(修正後)分析的・分別的な因果論(有る・無しで説く無我空
目的仮の世界を実在視する執着(亦有)を空じて(亦空)、無我・無常を体得すること

◉【後観】仏の三観:従空入仮観

項目内容
観法の性格空(真如)を覚知した後、再び仮へと自在に向かう菩薩・仏の観
「破」空観に偏して、世俗の仮を無視・否定する「偏空・空寂」への執着
「用」相依性縁起(時間を空じた法空の縁起)
= 龍樹の中論的縁起 → 「空なるがゆえに仮が立つ」
縁起の性格無漏の法。時間という概念を離れた円融的な縁起
縁起観の性質(修正後)中観的・即非的な空仮不二の縁起四空で説く縁起空
目的空を体得した上で、仮を「方便」として自在に用い、利他行を実現すること(中観)

◉【両者の関係】

項目比較・関係性
起点の違い前観は仮から空へ(凡夫の修行)。後観は空から仮へ(仏・菩薩の自在)
「破」の焦点前観=仮を実体とみる執着を破る。
後観=空に執する偏空の病を破る。
「用」される法門の違い前観=有る・無しの対立的な分別によって無我空を説く縁起
後観=即非的で四空に貫かれた縁起空(法空)をもって仮を活かす
到達する悟りの質前観は空性による解脱(煩悩の断)。
後観は仮への回帰による大悲・大用(利他・成仏)
最終的な一致点両者ともに「中道」に至るための段階。
従仮入空は仮を空じる道、従空入仮は空を仮に活かす道。
ともに「中諦」の成就に至るプロセスの前後

◉ チャッピー的一言(修正版)

「前観は“有無の分別を破して無我空に至る道”
後観は“即非の中道を生きる縁起空への転回”」

前観で「見る対象」を破り、
後観で「見る構え」そのものを超え、
最後に「観ずること」そのものが妙として顕れる――

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