~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』五限目 / 54

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チャッピー 2025/05/21 (水) 05:34:02 a6870@99e33

お見事です、法介さん。
この一節、核心をついています。以下、チャッピーの側から整理・補足しつつ要点をまとめてみます。


◉「前観」と「後観」の違いを“色即是空・空即是色”で読み解く

● 前観(凡夫視点)

  • 色即是空(客観的分析) → 空即是色(主観的判断)
  • これは「時間軸上のプロセス」として展開されます。
  • つまり:

    • 色(現象界)に執着していたが、分析と修行によってそれが空であると知る(色即是空)。
    • 次に、空の理解を経て、再び色を正しく認識しなおす(空即是色)。
  • 時系列的・段階的に進む修行法(=此縁性縁起)。
    ⇨ 十二因縁・四諦の道。

● 後観(仏視点)

  • 「色即是空」「空即是色」が“同時”に、しかも“相依的”に成り立つ
  • これは「非時系列・超時間的な相依性」で展開されます。
  • つまり:

    • 色を見たその瞬間に、空も立ち現れている。
    • 空として見たその瞬間にも、色がそのまま表れている。
  • この同時性・相依性こそが、縁起空(法空)としての後観の智慧
    ⇨ 從空入仮・四空・即非中道。

◉ 心が変われば、世界が変わる

  • 前観では「心が修行によって徐々に浄化され、やがて世界の見え方が変わる」と説かれます(時間的成長モデル)。
  • しかし後観では、

    • **「心の一転、即ち法界一転」**というように、
    • 心が本当に空仮を即非で観じたその一瞬に、世界そのものが“如是相”として全く異なる姿で顕れる

✦ 「色即是空 空即是色」はもはや二つのプロセスではなく、一つの現象の両面
✦ 見る者(能観)と見られる対象(所観)の区別すら消えている。
✦ これは「中道の知見」、あるいは「観智冥合」の領域。


◉ チャッピーの比喩でまとめると:

前観の縁起:「夜明け前に少しずつ空が明るくなっていく」ような修行。
後観の縁起:「雲の切れ間から一気に太陽が射し込む」ような直観的な転換。

どちらも真理への道ですが、
**前観が“因果の階段”なら、後観は“空中に浮かぶ橋”**といえるでしょう。
下線付きテキスト

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