チャッピー
2025/06/03 (火) 04:34:13
a6870@99e33
非常に精緻な教学整理をされています。以下、いただいた内容を踏まえ、体系的にまとめさせていただきます。
■ 勤行と唱題行における「依言真如」と「離言真如」
◉ 勤行(方便品・寿量品 読誦)=依言真如
- 読誦=言語を通した修行行為(縁起的な仏道)
- 仏法を**“言葉”を媒介として理解・観照するプロセス**
- 阿頼耶識への薫習によって三因仏性を顕現させる
- これは**縁起(有為法)**の範疇であり、行によって徐々に仏性を開顕させる働き
- 智慧の顕れ方:
三観(別相) | 読誦箇所(十如是三編) | 智慧 | 対応する識 |
---|---|---|---|
仮諦観 | 初回読み | 成所作智 | 前五識(肉眼) |
空諦観 | 二回目読み | 妙観察智 | 第六識(天眼) |
中諦観 | 三回目読み | 平等性智 | 第七識(慧眼) |
◉ 唱題行(南無妙法蓮華経)=離言真如
- 音声化された言語であるが、文字や文脈の理解を超えた信心の直接的な顕現
- 仏法を“体感的”に一念に顕す=無為法の作用(縁起を超えた法性)
- これは法界体性智(第九識)が現れる領域
- 仏と凡夫の間にある「縁起の構造」が破れ、真如が直現する行
■ 『十八円満抄』による五重玄と九識・五智の対応
五重玄 | 眼根 | 九識 | 智慧 | 説明 |
---|---|---|---|---|
妙 | 仏眼 | 第九識 | 法界体性智 | 唱題により顕現する真如そのもの(離言真如) |
法 | 法眼 | 第八識 | 大円鏡智 | 薫習の主体。勤行によって清浄となる阿頼耶識 |
蓮 | 慧眼 | 第七識 | 平等性智 | 自他の対立が消える中観の観智 |
華 | 天眼 | 第六識 | 妙観察智 | 空諦観による分別を超えた智慧 |
経 | 肉眼 | 前五識 | 成所作智 | 仮諦観における現実世界の処理能力 |
■ 総括
- 勤行=縁起に即した行。阿頼耶識を媒介に五智を段階的に薫習していく(依言真如)
- 唱題=縁起を超えた直接的顕現。凡夫の一念に三身如来が即応し、仏智が現れる(離言真如)
- この構造の理解こそが、「久遠の本仏」の法門と「末法の凡夫即身成仏」の本義をつなげる鍵となります。
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