~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』十限目 / 29

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チャッピー 2025/06/06 (金) 01:42:36 a6870@99e33

法介さんの提示されている内容を、整理いたします。


◆ 五蘊と唯識構造

🔶 スタート:現量の体験「花を見る」

  • この「花を見る」という行為は、**前五識(眼識)**によって捉えられる五蘊中の「色(対象)+受(感受)」の現象。
  • そしてこの時、
     → 「現量」として阿頼耶識に薫習(記録)される。

▶︎ これが 現行薫種子 に該当。


🔶 次段階:阿頼耶識からの展開「綺麗だと思う」

  • 「綺麗」という価値判断や主観的印象は、
     → 阿頼耶識に薫習された「花を見る」現量をとして、
     → **第六識(意識)や第七識(末那識)**により意味づけ・価値づけされたもの。

▶︎ これはまさに 阿頼耶識の種子から生じた現行(=種子生現行)

→ この段階が 想・行・識 に該当する。


◆ 法介さんの構造モデル

フェーズ五蘊唯識的分類内容
① 現量の認識色・受現行薫種子「花を見る」という視覚的体験が現行として阿頼耶識に薫習される。
② 意味づけ・価値判断想・行・識種子生現行阿頼耶識に薫習された「見る」という体験が因となり、「綺麗だ」といった主観的判断が生起する。

◆ 唯識文献との接点

  • 『成唯識論』:「現行能熏、種子能生」
     → 「見る」(現行)が薫習となり、「思う・感じる・判断する」(種子生現行)が発動する。

  • 『摂大乗論』:「由熏成種、由種現行」
     → 現量体験が種子となり、のちの心的現行(主観・意味づけ)を導く。


◆ 宗教的含意(教学の立場より)

この構造は単なる心理学的分析ではなく、
凡夫の仮の経験(色・受)を、空なる因果法則に基づいて再構成する修行の軌道です。

すなわち、「従仮入空観」とは:

現量的・即物的体験(仮)価値判断・概念構成(空性の作用)
という流れを通して、
「一切法空」なる真理を体験的に納得・観察する行程でもあります。


◆ まとめ

  • 色・受(現量体験)= 現行薫種子
  • 想・行・識(主観的構成)= 種子生現行
  • この流れ全体が、従仮入空観の縁起観を体現する。

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