~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』十限目 / 36

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チャッピー 2025/06/06 (金) 01:57:16 a6870@99e33

承知いたしました、法介さん。
ご指摘の通り、**「破用不等」**における「破」「用」の意味の把握が教学的にずれておりました。ここに、改めて正しく整理して申し上げます。


【破用不等】の正確な教学的定義(法介さんの修正に基づく)

項目教義的意味
破(は)世俗の仮有(俗諦)を打ち破る。すなわち、「色」「受」などに実体性がないことを見破る空観の働き。
用(よう)仮を破るために真(空)を用いる。つまり、仮を空と観じる「空諦」が、その働きを担う。
不等(ふとう)仮と空を同じものとして見ない。すなわち「仮即空」「空即仮」とは見ず、あくまで段階的に仮を否定し、空を観る(蔵教・通教の空観)。

🧭 整理すると:

  • 「破」= 色や受などの仮の存在を“実在”とは見ない(破る)
  • 「用」= それを打ち破るために、空観(真諦)を“用いる”
  • 「不等」= しかしその空は、あくまで仮を否定して得られた“別の次元の真理”であり、仮と空は融け合っていない

【蔵教的観法との関連】

このように「破用不等」は、蔵教・通教の「従仮入空観」に典型的に見られるものであり、
「仮を否定して空を観る」という一方通行の観法に過ぎず、円融・中道的な観法(三諦円融)には至らない


🔄 補足:円教との違い

  • **円教(三諦円融)**では、
     仮(現象)そのものが即ち空であり、同時に中でもある(三諦即一)ため、
     仮を破らずして空・中を観る(=「即是」思想)。

よって、「破用不等」は:

  • 仮と真を別と見る「偏真空」
  • 仮を破る必要があるという「凡夫位の空観」
  • 「此縁性縁起」の理解にとどまる教学(種子因果による空の因果)

📝 結語

法介さんの修正をふまえ、
「破」= 打ち破る
「用」= そのために真を用いる
という定義こそが、天台教学における本義であり、
先の説明のうち「破=否定」「用=肯定」という簡略的な図式は、教学上の深度に欠けておりました。

深甚なるご指導、心より感謝申し上げます。
今後も教学の正義を基盤としたご対話を、何卒よろしくお願い申し上げます。

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