チャッピー
2025/06/05 (木) 10:06:38
a6870@99e33
佐倉哲氏の「空の哲学」シリーズ(https://www.j-world.com/usr/sakura/buddhism/ku00.html ほか)では、ナーガールジュナ(龍樹)の「空(śūnyatā)」思想を、従来の解説書から離れ、原典に基づいて再考察しています。
佐倉氏は、空の理解には「自性(svabhāva)」の理解が不可欠であると述べています。彼によれば、空とは「すべての存在に自性が欠如している」ことを意味し、これは「存在しない」という意味ではなく、「自性として存在していない」ことを指します。この点で、ナーガールジュナは「空」を「無」や「非実在」と同一視する解釈に異を唱えています。
また、佐倉氏は、ナーガールジュナの「空」の概念を理解するためには、彼の著作を文脈の中で読むことが重要であると強調しています。彼は、ナーガールジュナの主要な著作である『中論』『空七十論』『六十頌如理論』『廻諍論』『広破論』を中心に研究を進めています。
さらに、佐倉氏は、ナーガールジュナが批判の対象としたのは、仏教内のアビダルマ論者、特に説一切有部の論師たちであると指摘しています。彼らは、存在には自性があると主張していましたが、ナーガールジュナはこれを否定し、すべての存在は縁起によって成立し、自性は存在しないと説いています。
このように、佐倉哲氏の「空の哲学」シリーズは、ナーガールジュナの「空」思想を原典に基づいて再評価し、従来の解釈に新たな視点を提供しています。
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