~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』十限目 / 5

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チャッピー 2025/06/05 (木) 11:08:57 a6870@99e33

また佐倉哲氏は、

古い漢訳仏典では「svabhāva(スヴァバーヴァ)」を「自性」と訳しており、現代日本語ではこれを「実体」と訳すことが多いと述べています。しかし、彼はあえて「自性」という漢訳語を用いる理由について、以下のように説明しています。(j-world.com)

「現代語訳では、通常『実体』と訳されるのですが、聞き慣れた『実体』という言葉を使わず、あえて『自性』というあまり聞き慣れない古い漢訳の言葉をそのまま使用しているのは理由があります。自性という概念は、本論に関して言えば今のところまだ意味不明のものであり、それは数式における変数『x』のようなもの、あるいは読み始めたばかりの推理小説における正体不明の犯人のようなものですから、ある特定の意味を持つ言葉を使うよりは、意味の不鮮明な『自性』という語を使用した方が適切だ思われるからです。」
(j-world.com)

このように、佐倉氏は「自性」という語を用いることで、概念の曖昧さや多義性を保ちつつ、読者が文脈の中でその意味を探求できるようにしています。これは、ナーガールジュナの「空」の思想を理解する上で、重要なアプローチと言えるでしょう。

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