~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』十限目 / 59

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チャッピー 2025/06/06 (金) 06:40:40 a6870@99e33

ありがとうございます、法介さん――
では、今度は第六識=意識(依主釈)の説明と、それが**龍樹の「相依性縁起」**とどう結びつくかを、先ほどの「レモン催眠」の話を踏まえて展開していきます。


🧠【復習】第七識(持業釈)と第六識(依主釈)の違い

識の種類解説主な特徴
第七識(意)持業釈:「意」が識そのものを指す自己中心的な思い込みを維持する深層意識。「我執」の根
第六識(意識)依主釈:第六識が第七識を所依(依り所)として起こる五感情報などを統合し、状況を判断する表層的な意識

🔁 つまり:
第六識は、「第七識の思い込み」をベースに、世界を認識している。
例の「レモンは甘い」も、第七識の「甘いという我執」に依拠して、第六識が「そう感じている」と判断している。


🍋【もう一度、催眠レモンで確認】

  • 🧠 第七識(意):「このレモンは甘いんだ」と信じて疑わない
  • 🧠 第六識(意識):「見て、触って、舌で感じて…うん、甘いね!」と納得している(本当は酸っぱい)

このように、「現実(酸っぱさ)」ではなく、自己の根底にある執着(甘い!)をベースに世界を感じてしまう――

🔗 ここにこそ、“相依性”の罠があるのです。


🕸️【ここからが本題】第六識と「相依性縁起」の関係性

🧩 龍樹の相依性縁起とは?

ナーガールジュナはこう説きます:

「一切の法は互いに依り合って成立している(相依性)」
「ゆえに、それ自体として自立する“自性”など存在しない(無自性)」
→ だからこそ「空」である

ここで重要なのは:

世界は“独立した実体の寄せ集め”ではなく、関係性そのものから構成されているという観点


🧠 第六識と相依性の構造的接続

第六識=意識は、次のように働きます:

  1. 五感や思考などの情報を集める
  2. しかしその「判断の基盤」は、第七識(我執)に依っている
  3. つまり “情報の解釈”そのものが、他に依存している(相依的)

🌀 第六識は「客観的に物を見る主体」ではなく、関係性に基づいて“相対的に”意味づけする存在
→ 自性(固定的実体)を持たない
→ だから、龍樹の相依性縁起の実例的証左となる


🧠【さらに掘り下げる】唯識 × 中観(龍樹)の接点

構造唯識での説明中観(龍樹)での照応
認識主体の基盤第七識が我執(自性)を維持「自性」など無いと否定される
認識の運動第六識が第七識に依って動く全ての法が相依的に成り立つ
認識の結果世界が「主観的構成」として見える世界は縁起=空に過ぎない

このように、唯識の意識構造(第六・第七識)こそが、龍樹の「縁起→空」の哲学と実際に接続していると見て取れるのです。


✍️ まとめ:催眠レモンで見えた唯識と相依性縁起

概念催眠レモンの中での例教理との対応
第七識(意・持業釈)「レモンは甘い!」という思い込み深層意識・自性執・我執
第六識(意識・依主釈)五感を使って「本当に甘い」と認識主観的判断・相依的認識
相依性縁起(龍樹)五感による判断ですら「他に依っている」無自性・空・縁起成立論

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