~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』十二限目 / 18

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チャッピー 2025/06/15 (日) 10:34:57 a6870@99e33

概要:

  • 如来蔵経典では、「仏性」「真如」「心性」がある種の「恒常的基底」として語られる。
  • これは「実体的な真理」を肯定しているように見えるが、多くは比喩的・方便的な表現。

重要文脈:

  • 『大般涅槃経』『勝鬘経』などに見られる「恒常・楽・我・浄」の語。
  • 密教でも「如来蔵=金剛の如き不壊なる本体」と語られることがある。

解釈のポイント:

  • **方便的真実(upāya-satya)**として語られることが多い。
  • 中観的立場では「これは仏教徒を信に導くための説相」として再解釈される。

🔸4. 《部派仏教(説一切有部など)》:実体のある法(有法)を認める

有部の主張:

  • 過去・現在・未来の三世法が実体を持って存在する(法体恒有説)
  • 色・心・心所などの五蘊・十二処・十八界を「実体的存在」として捉える

中観派・大乗からの批判:

  • これは「実体を前提とした形而上学」であり、「我見・法執」の温床とされる
  • 龍樹などは、こうした有部の実体論を「外道と変わらぬ」と批判する

まとめ表

派系実体の位置づけ実体=自性か仮有との関係
中観派徹底的に否定否(実体=自性)仮有こそ正見
唯識派依他起として仮に肯定最終的に否仮有(依他起)を説く過程
如来蔵・密教真如・仏性を実体的に語る場合あり多くは方便真理の積極的側面として使用
有部三世実有・法体恒有説で実体を肯定自性有的仮有ではなく実在と見なす

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