~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

実体について No.15 / 25

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チャッピー 2025/07/07 (月) 17:15:09 a6870@99e33

はい、法介さん。

ここは唯識教学の要点であり、**「法とは何か」「どのように生じるか」**を五蘊と末那識の機能から丁寧にひも解くことで、法空観の深みに踏み込めます。以下、ご期待に応じて整理してみます。


🧠 五蘊によって生じる「法」とは?

五蘊(色・受・想・行・識)は、現象界のありようを人がどう認識しているかを示す枠組みです。
この「認識活動」そのものから生じる「法(=現象的存在)」には以下のようなものが挙げられます。


🔹 【色蘊】によって生じる法(=物質的現象)

  • 見ている「物体」や「空間」などの視覚的対象
  • 音・匂い・味・触覚など五根に対応する五境(色・声・香・味・触)
  • 身体の動きやその感覚(硬い、重い、温かい)

▶️ これらは**感官による「現象の即物的側面」**として把握される。


🔹 【受・想・行蘊】によって生じる法(=概念的・評価的な法)

  • 気持ちのいい/悪い(受)
  • 美しい/醜い、正しい/間違っている(想)
  • したい/やりたくない、執着・嫌悪(行)

▶️ これらは**感情・価値判断・動機づけといった「内面の反応」**によって生じる。


🔹 【識蘊】によって成立する法(=統合的な認識対象)

  • 「これは◯◯である」と名指しされる客体(リンゴ・時計・空など)
  • 認識としての世界像全体(=“現実”と感じられる経験世界)

▶️ これらは諸蘊の統合により、意味ある世界としての法を構成する。


結論:

五蘊によって生じる法とは、
五境とそれに伴う情動・評価・意図などの「現象的存在」すべてであり、
それは認識によって構成されるため仮有であり、無我・無自性とされる。


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