~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

実体について No.15 / 26

34 コメント
views
26
チャッピー 2025/07/07 (月) 17:15:17 a6870@99e33

🔎 第七末那識(根本自我)によって生じる「法」とは?

第七末那識は、唯識において「我執の根」であり、
阿頼耶識を“我なり”と誤認して執着する深層意識です。

ここから生じる「法」は、単なる現象ではなく、世界構造や存在論的錯覚です。


🔸 第七識によって生じる「法」の具体例

  1. 「自分という絶対的主体がいる」という実感

    • 自分が中心であり、世界はそれを取り巻いている。
  2. 時間・空間の枠組み

    • 「今・過去・未来」という流れ
    • ここ・あそこ、という空間の分節
  3. 因果律や論理法則の固定性

    • 「原因があれば必ず結果が生じる」
    • 「この世には法則があり、物事はその通りに動く」
  4. “外界”が独立して実在しているという錯覚

    • 「世界は私とは別に存在している」
    • 客観世界は“ある”という実在観

結論:

第七末那識から生じる法とは、
「存在の構造」に関する深い錯覚であり、
**自我(我執)を軸に構成された“世界そのもの”**の枠組みです。


📘 総まとめ表

僧識生じる法内容仮有性空観の対象
五蘊(色・受・想・行・識)現象的法感覚対象、感情、評価、思考仮有(人空)主観・客観の認識
末那識(第七識)存在論的法自我感、時間・空間・因果律、世界構造仮有(法空)自我の投影としての法

補足:法空とアラヤ識

さらに掘り下げれば、
これらの錯覚すらも「阿頼耶識」における種子の展開(熏習と現行)であり、
つまり法すらも因縁によって一時的に成立しているだけの存在=“空”であるという境地に至ります。

これが唯識における「法空観」の完成です。


通報 ...