🔍【融合的に整理】
倶舎論の法分類 | 説明 | 唯識における対応 | 空観的含意 |
---|---|---|---|
色法(11) | 感覚対象・身体など | 相分(仮の客体) | 無自性(体空) |
心法(1) | 識そのもの(心王) | 見分(認識者) | 無我(析空) |
心所法(46) | 心の働きの補助因子(喜・思・欲など) | 心王と共に起こる作用 | 見分に付随する働き |
不相応行法(14) | 心や物質に属さない法(得・命根・次第など) | 相依的条件の一時構成要素 | 仮有(法空) |
無為法(3) | 涅槃・空間などの非生滅の法 | 阿頼耶識の種子に現れない性空 | 「非作・無為の空性」そのもの |
💡 統合的まとめ
唯識と倶舎論が捉える「法」は、一見分類が違いますが、
どちらも**縁起によって成立する仮有であり、実体はない(無我・無自性)**という原理に帰着します。
教学 | 立場 | 中心課題 | キーワード |
---|---|---|---|
倶舎論 | 分析的実在論(仮) | 法の分類・構成原理 | 五位七十五法 |
唯識 | 主観構造の分析 | 心が世界を構成するプロセス | 八識・見分/相分・種子現行 |
両者の架橋 | 統合的空観へ | 法の空性=仮有を見極める | 人法二空・依他起性・仮有論 |
🔚 まとめフレーズ(論文調)
「倶舎論の法分類は現象を構成する最小単位を実在的に捉えるように見えるが、唯識はその認識主体としての心の構造を解体し、主客ともに空性なる仮有と見る。色法と心法はそれぞれ相分・見分に通じ、これらを空じることで人法二空を達成し、従仮入空の空観が完成される。」
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