~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

外観と内観から読み解く般若の智慧 / 12

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法介 2025/08/05 (火) 12:15:36 修正

ある人が「これは汚い」と感じるモノが、別の人にとっては「美しい」と感じられることがあります。“汚い”とか“美しい”といった感覚は、対象そのものに備わった特性ではなく、それを見る側の主観の中に生じているものなのです。

そして、その主観すら、育ってきた環境、過去の記憶、教育、文化的背景など、さまざまな縁によって形成されたものにすぎません。

要するに、対象には「そのモノをそのモノとして成り立たせている変わらぬ本質」──つまり自性と呼べるようなものは存在しない、ということです。
仏教では、これを無自性と説きます。

この無自性という見方を通して、私たちが主観によって「そう見えている」と思っている対象の姿もまた、空であると観じていく──これが『般若心経』における「空即是色」の教えなのです。

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