龍樹は、このような客観的世界の縁起を「此縁性縁起(しえんしょうえんぎ)」とし、それとは別に、主観的世界の縁起を「相依性縁起(そうえしょうえんぎ)」として説いています。
龍樹の二諦論 | 内容 |
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俗諦 | 客観世界の因果的な縁起(此縁性縁起) |
真諦(第一義諦) | 主観を含めた相互依存的な縁起(相依性縁起) |
つまり──
- 客観の世界は、「此縁性縁起」によって成り立ち、
- 主観の世界は、「相依性縁起」によって成り立つということです。
そして『般若心経』の「不生不滅」は、まさにこの客観の姿が“空である”ということを明らかにしているのです。
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