~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

外観と内観から読み解く般若の智慧 / 26

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法介 2025/08/08 (金) 08:40:59 修正

【唯識による外観から内観への変換プロセス】

唯識では、この外観(客観)から内観(主観)が生じる過程を、次のように説明します。

1.外境(例:小川)が此縁性縁起により現れる —(色)〔外観〕

2.眼識による認識情報が阿頼耶識に薫習される —(受)〔外観から内観への入口〕
(↑これが「色即是空」)
(↓ここから「空即是色」)

3.薫習された種子を因として空即是色の縁起が起こる —(想)〔内観〕

4.阿頼耶識の種子が因となって末那識(第七識)を縁に「種子生現行」が起こる —(行)〔内観の深層構造〕

5.第六識(意識)でその現行が具体的に顕現し、これが主観となって再び阿頼耶識に上書き保存される —(識)〔内観の表層〕

このように、順観(外境 → 阿頼耶識への薫習)と逆観(阿頼耶識の種子 → 主観の顕現)が循環することで、私たちの「主観と客観」という二重構造の世界観が成立します。
この全体的なシステムこそが、仏教で説かれる五蘊(色・受・想・行・識)
の働きであり、私たちが見ている世界(仮観)は、外観と内観の相互作用によって立ち上がっているのです。

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