法介
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2025/08/11 (月) 05:15:45
小川で読み解く「不垢不浄」
例えば、山間に小川が流れているとします。
雨が降り、大地を伝って水が集まり、谷間を流れ下る――この物理的プロセスは、因と縁が整った結果として現れた現象です。
此縁性縁起の立場では、そこに「汚い」も「清らか」もありません。ただ、縁によって現れた水の流れがあるだけです。これが評価が付く前の客観的姿です。
ところが、その小川を見たときのあなたの心はどうでしょうか。
ある人は「透き通って美しい」と感じ、またある人は「濁って汚い」と思うかもしれません。
この評価は、水の性質そのものだけで生まれるのではなく、以下のような条件の相互依存によって形づくられます。
・過去の記憶(子供の頃に遊んだ清流の思い出)
・心の状態(穏やかなときか、苛立っているときか)
・文化的背景(絵画や文学で描かれた川のイメージ)
・直前の経験(濁流を見たばかりか、静かな泉を見た後か)
こうした条件が重なって、「美しい」「汚い」という評価が立ち上がる。これが相依性縁起の働きです。
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