不増不減 × 対治悉檀 × 法空
・「不増不減」は、存在や真理が増えることも減ることもない――つまり、現象界の変化に関わらず、その背後にある法性は不変であるという教えです。
・第三悉檀(対治悉檀)は、衆生の執着や偏見に応じて、それを打ち破る方便を説く段階です。ここでは「増減」という相対的見方にとらわれる心を直接に破します。
・このとき現れてくるのが法空の視点です。法空は、すべての法(存在・現象)が自性をもたないことを意味し、「多い」「少ない」「増えた」「減った」という相対評価自体が、空性の前では成立しないことを悟らせます。
ここでのポイントは、〝時間〟という法が自然界に備わる常住不変の法ではなく、人間の五蘊が造り出している錯覚であると見破る〝空観〟です。
その話はまた別の機会に詳しくお話しましょう。
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