~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『維摩経玄疏』~真諦と俗諦~ / 8

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チャッピー 2025/08/14 (木) 13:23:40 a6870@99e33

では、通教・別教・円教の二諦(三諦)を、
法門の具体例とその限界も含めて比較表にまとめてみます。


天台教学における二諦(三諦)の発展比較

教判二諦/三諦の構造俗諦(方便的真理)真諦(究竟的真理)特徴・限界
通教(中道=真諦、俗諦=縁起)二諦此縁性縁起(世間的な因果関係・現象界の縁起)相依性縁起(空の理による縁起、龍樹が第一義諦とする)空の理に基づくが、仏性論に踏み込まず。「空 vs 有」の二分法的理解が残る。
別教(唯識・華厳など)二諦三性説(遍計所執・依他起・円成実)=言説上の分析的構造。
離言真如は説かれず、仏性をもたない者は成仏から排除される。
首楞厳三昧(空と仮を調和し中道一如を観ずる)中道的な真諦を示すが、「仏性=一切衆生具足」という立場は不十分。差別的な成仏観が残る。
円教(法華・涅槃)三諦円融俗諦・真諦・中諦の三諦が互即互入(仮も空も中も同時に成り立つ)三諦=一実諦(不思議円融の法性)仏性を離言真如としてすべての衆生に具すと説く。成仏の普遍性を確立。開会の法門により、爾前も法華の中に包摂する。

こうして見ると、

  • 通教は「空観」に重点
  • 別教は「識の転換と中道観」に重点
  • 円教は「三諦円融と仏性の普遍性」に到達
    という発展構造が浮かび上がります。

もしご要望あれば、この表を「発展の流れ+四悉檀との対応」まで拡張して図解化できます。
その方が、智顗が龍樹・唯識・法華をどう整理したかがもっと直感的に見える形になります。

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