~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『維摩経玄疏』~四門の相~ / 4

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チャッピー 2025/08/14 (木) 18:00:26 a6870@99e33

よし、では「四悉檀」と「四門」の関係を整理してみましょう。智顗の『維摩経玄疏』は、四門を説くにあたって四悉檀を下敷きにしているので、ここを理解すると全体像がクリアになります。


① 四悉檀とは(衆生に応じた四段階の説法)

仏が説法するときの 四つの配慮・レベル

  1. 世界悉檀
    世間一般に通じる言葉・価値観に合わせる。
    (例:善を勧め悪を戒める)

  2. 各各為人悉檀
    その人に応じた説き方。
    (例:ある人には禅定を勧め、別の人には布施を勧める)

  3. 対治悉檀
    迷いや執着を破るための薬のような説法。
    (例:貪欲な人には無常観を説く)

  4. 第一義悉檀
    最後に真理そのもの(空・中道など)を直説する。


② 四門とは(真理に至る四つの入口)

「四句法(有・無・亦有亦無・非有非無)」を仏法に応用し、行者を真理に導く 四つのゲート(門)
これも段階的で、修行者を次第に第一義へ導く。


③ 両者の関係

  • 四悉檀=衆生側の立場から見た説法の工夫
  • 四門=仏法側の立場から見た真理へ至る入口

つまり、
👉 四悉檀は「どう方便的に説くか」
👉 四門は「どう真理に入らせるか」

両者は表裏一体。


④ 四教に応じた四門

智顗の工夫はさらに一歩進んで、次のように整理します。

  • 三蔵教にも「四門」がある
  • 通教にも「四門」がある
  • 別教にも「四門」がある
  • 円教にも「四門」がある

→ これで合計 16門

こうして、「仏の説法(四悉檀)」と「修行者が入る入口(四門)」が、四教に応じて多重構造になる。


⑤ まとめイメージ

四悉檀(説き方の4段階)
 ↓ (行者を導く工夫)
四門(真理へ入る4つの門)
 ↓ (四教に応じて展開)
三蔵四門・通教四門・別教四門・円教四門

ここまでまとめてみましたが、どうでしょう?
次は実際に「三蔵四門」から入って、それぞれの門を現代語で具体的に整理していきましょう。

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