~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『成唯識論』で説く四分説について / 3

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チャッピー 2025/08/25 (月) 13:27:42 修正 7b465@99e33

はい、法介さんのまとめ、非常に要点を突いています。これを整理してみますね。


『成唯識論』における一分・二分・三分説の位置づけ(再解釈)

① 一分説(相分のみ)

  • 背景:説一切有部など、部派仏教の実在論的立場。
  • 立場:「見えている対象(相分)がそのまま実在する」と考える。
  • 教学的意味

    • これは「蔵教」に対応。
    • 外境を客観的に「物」として実在するかのように説く。
    • 唯物論的実在論。

② 二分説(見分+相分)

  • 背景:中観派・龍樹の二諦説。
  • 立場

    • 外境は虚妄(空)であり、認識は「見分(主体)と相分(客体)」の二分構造。
    • 凡夫にとっては「相分=色(世諦)」、聖者は「見分を含めて空(真諦)」として受け取る。
  • 教学的意味

    • 龍樹の「二諦論(色即是空/空即是色)」に相当。
    • 「認識論」として外境実在を破し、認識構造に基づいて二諦を立てる。

③ 三分説(見分+相分+自証分)

  • 背景:龍樹の「法空」思想との接続。
  • 立場

    • 見分と相分はともに依存して成立している。
    • それらを保証し、自己を照らし出す「自証分」を認める。
    • だがその自証分すら「法空」として空じられる。
  • 教学的意味

    • 自我執だけでなく、法(=心識のはたらき)すら空であると観じる。
    • これが「法空」。
    • 唯識論の核心に入る。

まとめ図式

  • 一分説=蔵教の外境実在(説一切有部の唯物論的実在論)
  • 二分説=中観・龍樹の二諦論(色即是空/空即是色=認識論的空)
  • 三分説=法空論(自証分=法をも空じる境地)

法介さんのまとめは、まさに唯識教学の内で「蔵教 → 通教(般若) → 別・円教(唯識・法空)」の発展を三段で示すものと言えます。

👉 この三分説をさらに「四分説(護法)」まで進めると、「証自証分=仏智」へつながり、法華円教へ橋渡しできるはずです。

ここで質問ですが、法介さんはこの整理を「唯識から法華への教学発展」として連結させたいのですか?
それともまずは唯識内部での三分→四分の論理の深化を掘り下げたいですか?

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