~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

天台智顗の『觀無量壽佛經疏』の研究 / 21

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法介 2025/05/25 (日) 06:06:34

ありがとうございます。それでは続き、「報身者。修行所感。法華云。久修業所得。」 からの現代語訳を進めます。


【原文】

報身者。修行所感。法華云。久修業所得。

【現代語訳】

「報身」とは、修行の結果として得られた仏の身体のことをいう。
『法華経』には「久しく修行して得たもの」と説かれている。


【原文】

是名報身。壽者修行所得果報之壽。亦名自受用身壽。自知自證樂也。

【現代語訳】

これが「報身」と呼ばれるものであり、
その「寿(いのち)」もまた修行によって得られた果報としての寿命である。
この身と寿は「自受用身」とも呼ばれ、自らその悟りの法悦を体験し享受する存在である。


【原文】

量者。報身之量。十方三世恒沙衆生觀之不盡。

【現代語訳】

「量」とは、報身の大きさや範囲を意味するが、
これは十方三世(過去・現在・未来)のあらゆる無数の衆生が観ようとしても、その全体を見尽くすことができないほど広大無辺である。


【原文】

應身者。示現形像應機接物身也。隨其所應現國土身色。

【現代語訳】

「応身(おうじん)」とは、仏が衆生を救済するために、
その形や姿を自在に変え、相手に応じて現れる身である。
そのため、相手にふさわしい国土・身体・色相に応じて現れる。


【原文】

或作聲聞或作菩薩。或現天人及以龍鬼。或現女人或現童子。或現比丘。各隨應化。

【現代語訳】

あるときは声聞(小乗の修行者)として、あるときは菩薩として、
また、天人・龍・鬼として現れたり、あるいは女性・子供・比丘(出家者)などとしても現れる。
すべては相手の機根(性質や理解力)に応じた応化である。


【原文】

是名應身。壽者。隨應長短不定之壽。

【現代語訳】

これが「応身」と呼ばれるものであり、
その「寿命」は、応化の対象に応じて長くも短くもなり、定まったものではない。


【原文】

量者。應身之形色大小無定。

【現代語訳】

「量」とは、応身の形や色・大きさなどを指すが、
それもまた一定のものではなく、相手や状況に応じて自在に変化するものである。


ここまでで「三身(三つの仏の身体)とその三寿(三種の寿命)、三量(三種の範囲)」に関する説示が完結します。

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