~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

天台智顗の『觀無量壽佛經疏』の研究 / 51

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法介 2025/09/07 (日) 09:44:45

次の個所はどこで区切っていくつに区切れば適切?

T1750.37.0188c22: 分文爲三。序正流通。從如是訖清淨業處序から
T1750
.37.0191a09: 竟2◎ まで

ご提示いただいた漢文は、『観無量寿経』の構造を、「序分(じょぶん)」「正宗分(しょうしゅうぶん)」「流通分(るつうぶん)」という三つの部分に分けて解説し、特に「序分」について詳細に説明している箇所です。


どこで区切るか

この文章は、複数のトピックが連続して解説されているため、内容のまとまりで区切るのが適切です。以下のように5つに区切ることができます。

  1. 経典全体の構造(序・正・流通)の解説

    • T1750_.37.0188c22: 分文爲三。序正流通。…
    • T1750_.37.0188c25: …流通復二。王宮鷲山。
  2. 序分の前半(六成就)の解説

    • T1750_.37.0188c26: 初證信序六句。如是標於信。…
    • T1750_.37.0189c19: …名法王子也。
  3. 序分の後半(発起序)の解説

    • T1750_.37.0189c19: 二發起序者。諸經不同。…
    • T1750_.37.0190a05: …當佛在王舍城時。
  4. 発起序の具体的な内容(頻婆娑羅王と韋提希夫人)の解説

    • T1750_.37.0190a05: 初爾時王舍太子阿闍世者。…
    • T1750_.37.0191a09: …教我觀於清淨業處。
  5. 序文のまとめ

    • T1750_.37.0191a09: 序文竟。

このように区切ることで、それぞれの内容が明確になります。


現代語訳と解説

1. 経典全体の構造

「経典の文章を三つに分ける。序分、正宗分、流通分である」

  • 「序分」「如是(かくのごとし)」から「清浄業処(しょうじょうごっしょ)」までの部分。
  • 「正宗分」「爾時世尊放眉間光(そのときせそんびけんのひかりをはなち)」から「諸天発無上道心(もろもろのてんむじょうどうしんをほっす)」までの、中心的な教えを説く部分。
  • 「流通分」「爾時阿難白佛当何名(そのときあなんぶつにまうしてまさになにとなづくべきや)」から経典の終わりまでの、教えを後世に伝える部分。

序分には「証信(仏の言葉であることを証明する部分)」と「発起(教えを説くきっかけとなる部分)」の二つがある。

2. 序分の前半:証信序(六成就)

「証信序(六成就)」の六つの項目を解説する。

  • 「如是(かくのごとし)」:仏の言葉が真実であることを示す。
  • 「我聞(がもん)」:阿難が「私は仏から直接聞いた」と述べることで、外道(げどう)の教えと異なることを示す。
  • 「一時(いちじ)」:仏と弟子が共に教えを説き、聞く時を指す。
  • 「佛(ぶつ)」「婆伽婆(ばかば)」とも訳され、「大いなる名声を持つ者」「煩悩を破る者」などを意味する。
  • 「在(ざい)」:仏が一時的に滞在したことを指す。
  • 「王舍城(おうじゃじょう)」霊鷲山の別名であり、その名の由来を複数の説話で説明している。
  • 「與大比丘衆(よだいびくしゅう)」:仏と共に教えを聞いた偉大な比丘たち(弟子たち)を指す。この中には迦葉(かしょう)、舎利弗(しゃりほつ)、目犍連(もっけんれん)らが含まれる。
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