猫の勇作さん
俺は尾形尾形百之助。今日は「猫の日」で猫のグッズや愛猫の面白い動画などが朝からテレビで特集されてる。世間では「猫可愛い!」など言っているが実は俺は猫が嫌いだ。
「次は猫コスプレグッズの紹介です!」女子アナのハキハキとした言葉と同時に画面が切り替わる。そこには猫耳をつけたモデルの弟が映っていた。テレビの仕事があると言って早朝に出て行ったがまさかこんな仕事とは。
「とてもお似合いですが、花沢さんがどなたかに猫耳を付けてもらうとしたらどなたにお願いしたいですか?」 なんだその質問は? テレビの向こうの俺のため息など当然届くわけもなく、弟は最高の笑顔で答えた。 「もちろん、兄様です!」 俺は飲んでいたコーヒーを噴いた。
夕方。 帰宅したらテレビの件を問い詰めなければならないと勇作の帰りを待ちわびていた俺の耳に、ドアの開く音が聞こえた。 玄関まで向かう。 するとそこにはただいま戻りましたと言いながら三和土に立ち、見覚えのあるグッズをこちらに差し出している勇作の姿があった。 「兄さま、テレビ見ていただけましたか?」 「…見ましたけど」 「ありがとうございます!でしたら話は早い」 猫の耳のごときものを持ちながらまるで犬のように期待に輝かせた目でこちらを見つめる勇作を目の前にして、俺は問い詰めようと思っていたことも忘れて、差し出された猫耳を受け取ると、すこし屈んだ勇作の頭にそれをつけていた。
不適切なコンテンツとして通報するには以下の「送信」ボタンを押して下さい。 現在このグループでは通報を匿名で受け付けていません。 管理者グループにはあなたが誰であるかがわかります。
どのように不適切か説明したい場合、メッセージをご記入下さい。空白のままでも通報は送信されます。
通報履歴 で、あなたの通報と対応時のメッセージを確認できます。
俺は尾形尾形百之助。今日は「猫の日」で猫のグッズや愛猫の面白い動画などが朝からテレビで特集されてる。世間では「猫可愛い!」など言っているが実は俺は猫が嫌いだ。
「次は猫コスプレグッズの紹介です!」女子アナのハキハキとした言葉と同時に画面が切り替わる。そこには猫耳をつけたモデルの弟が映っていた。テレビの仕事があると言って早朝に出て行ったがまさかこんな仕事とは。
「とてもお似合いですが、花沢さんがどなたかに猫耳を付けてもらうとしたらどなたにお願いしたいですか?」
なんだその質問は?
テレビの向こうの俺のため息など当然届くわけもなく、弟は最高の笑顔で答えた。
「もちろん、兄様です!」
俺は飲んでいたコーヒーを噴いた。
夕方。
帰宅したらテレビの件を問い詰めなければならないと勇作の帰りを待ちわびていた俺の耳に、ドアの開く音が聞こえた。
玄関まで向かう。
するとそこにはただいま戻りましたと言いながら三和土に立ち、見覚えのあるグッズをこちらに差し出している勇作の姿があった。
「兄さま、テレビ見ていただけましたか?」
「…見ましたけど」
「ありがとうございます!でしたら話は早い」
猫の耳のごときものを持ちながらまるで犬のように期待に輝かせた目でこちらを見つめる勇作を目の前にして、俺は問い詰めようと思っていたことも忘れて、差し出された猫耳を受け取ると、すこし屈んだ勇作の頭にそれをつけていた。