夕方。
帰宅したらテレビの件を問い詰めなければならないと勇作の帰りを待ちわびていた俺の耳に、ドアの開く音が聞こえた。
玄関まで向かう。
するとそこにはただいま戻りましたと言いながら三和土に立ち、見覚えのあるグッズをこちらに差し出している勇作の姿があった。
「兄さま、テレビ見ていただけましたか?」
「…見ましたけど」
「ありがとうございます!でしたら話は早い」
猫の耳のごときものを持ちながらまるで犬のように期待に輝かせた目でこちらを見つめる勇作を目の前にして、俺は問い詰めようと思っていたことも忘れて、差し出された猫耳を受け取ると、すこし屈んだ勇作の頭にそれをつけていた。
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