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かちゃ、じゅうじゅう。
もっ、もっ、からん。
トングの音。肉を焼く音。食べる音。そして皿が積まれる音だけが店内を満たしていた。
夜の10時。何時もならたくさんの人で賑わっている筈の店、しかし今そこにいる客はたったの二名。
にもかかわらず、店員たちの間にはまるでセレブが来ているかのような張り詰めた空気が漂っていた。
しかし無理もない。何せ今、店の中央のテーブルに座っているのは、生物として人間の上に立つ存在。
片や、踝まで届く長い銀の髪をポニーテールにし、声が聞こえているかの如く肉を完璧に焼いていく少女。
片や、臭いなど知らぬとばかりの着物姿で、丁寧な箸使いで50人前の肉をぺろりと平らげてしまった少女。
洋装の少女が焼き、和装の少女が食べ、時折洋装の少女がレバーを食べる光景がかれこれ30分続いており。
そして51度目の全肉メニューを綺麗に完食し、注文を受けるためだけに立たされていた店員へとこう言った。
「「おかわりはまだかしら」」
その年、夜観市でも人気店だったその焼肉屋は創業してから一番の売り上げを叩き出したという。