kagemiya@なりきり

更新依頼スレ / 52

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**台詞例
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「良い作品を描くコツ、ですか。……まずは我々が鑑賞者に齎さんとしている"死"に触れて、自分なりの解釈を確立させるのはどうでしょうか?~~"死"という物は自身の物であれ他人の物であれ刺激の強いものですから。それに惑わされず本質を掴めたなら、自然なアイデアがきっと浮かんで来るでしょう。」

「うぅん……この作品が齎す"死"は痛みと不快感が強過ぎないですか?これだと鑑賞者に本質を伝えられないかも……まぁ私も"死"を美化し過ぎだって言われちゃったんですけどね。」

「家や作品を汚されるから嫌なだけで、別に五月蠅い奴自体は嫌いじゃないです。~~生命力に溢れた人間は見てて面白いし、そういう連中の仕留め方を考えるのも思わぬ着想に繋がりますから。」

「結構良い所ですよね、絶滅展覧会って。芸術には真摯な方々ですし、滅多な事で死なないから遠慮無く作品を見せ合って批評を貰えるし。~~あの人達と話してる時に一番生きてる実感が湧くんですよ。まぁとっくに死んでますけど、私。」

「貴重な呪体やら人体やらにばかり拘る画家と、そういう画家の作品は好きじゃないです。特別な画材は否応無しに素晴らしい作品を産み出しますけど、その素晴らしさは素材の素晴らしさでしか無いし、描き手の技量を覆い隠してしまいますから。………画材の質に頼り過ぎた名作は、いずれ眼前に立ち塞がる壁となる。私の修練が『最高傑作になった身体』を超えられるまで、後どれだけの年月がかかるのやら。」
[END]

**来歴
故郷では名家として知られる衣川家の長女として生を受ける。
遠い先祖に呪術師が居た事もあり、郁子の身体もその血が齎した上質な魔術回路を宿していたのだが、疾うの昔に魔術から足を洗っていた衣川家の一員としては無用の才であった。
寧ろ一般社会において様々な怪現象を引き起こす彼女の力は周囲に嫌悪と忌避の念を抱かせる原因となり、生前は色々と幸薄い日々を過ごしていたと本人は語る。
絵を描く事のみが心休まらぬ生活の数少ない支えだったが、境遇故に題材も「死」を始めとする暗く陰鬱な物に偏り先鋭化されていった。
即ち、彼女が殺人浮世絵師となる基盤は生前に固まっていたのだ。

事件が起きたのは21歳の時。
念願叶い芸大生となった郁子は同級生の1人と親しくなり、やがて親友と呼べる関係に発展する。
しかし、女の正体は呪絵を専門とする魔術師。郁子に近付いたのも良質な"絵具"を確保する為に他ならず、ほどなくして郁子は自宅のバスルームで彼に惨殺される羽目になる。
薄れゆく意識の中、郁子は自身の身体に凶器を突き立て哄笑する元親友への憎悪────では無く、その身で直接"死"を感じ取った興奮と歓喜、そして湧き上がる情動を描き起こせない事への無念を抱きながら死を遂げた。

………その妄執を糧に怨霊化した郁子はキッチリと復讐を遂げ、その過程で「生物の血肉を画材とする表現技法」と「魔術を用いた"裏"芸術の存在」を知る。
幸いにも使われずに残されていた&ruby(自身の死体){良質な絵具}を使い、身を以て経験した"死"を全霊を尽くし表現した作品『井戸名所百人美女』は殺人芸術界を震撼させ、とある芸術家団体の接触に繋がった。
かくして生前には得られなかった適切な指導、そして共に高め合える仲間を得て修練に励み早数年。
郁子は一角の殺人浮世絵師として、既に死んだ身でありながら人生を謳歌しているのだった。

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