- 泥の闘技場
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>> 18
「ハハ……ハハハ! 面白い……! この俺の姿を見ても尚人と呼ぶか!」
両面宿儺は笑う。だが今までのような、人を蟲と嘲笑うような笑みではない。
それは何処か嬉しそうな、自身のこの醜悪なる姿を見ても尚、人と呼ぶ姿に。
そして、この醜悪に転じた身を前にしても怯まずに立ち向かう英雄の姿に、喜ぶかのような笑みであった。
「ヌゥン!!」
嘶きにより大気を震わせる、霊峰が如き巨躯が衝突する。
負けてなるものか。貴様が善を成すならば俺は悪を唄うもの。
耐えて見せようこの力。そして飲み込んでくれる。人を嘲笑う事こそ、我が本懐!
そう宿儺は、今までにない高揚感を感じていた。
だがそれでも、ロスタムの蹂躙は止まらない。
じわりじわりと、宿儺の魔力を削り、進撃を続けんと歩み続ける。
「ならばぁ……!!」
ならば呪術だ。搦手の前にはなすすべもない。そう考えたその時だった。
>> 19
「ッ……!?」
視界の端に映る無数の近代兵器。それに気づいたときにはもう遅い。
無数のライフル銃より放たれる銃撃は、宿儺の全身を穿ち、そして破壊して往く。
それは確かに、近代兵器による怪物の蹂躙であった。
が、しかし、そこにあるのは怪物という使命からの解放ともいえる、慈悲であった。
「グッ……!? お、の、れぇ……!!」
「この、俺がぁ……!! この俺が…人間どもにぃぃぃぃいいいいいいいいい!!!」
バァン!!! と、 全身が砕ける音が響いた。
ロスタムの蹂躙走行が、乱れ無きライフル銃の一斉掃射によりダメージを負った宿儺を、見事に粉砕する音だった。
「────見事、だ」
その砕け散った肉片は、魔力へと帰り周囲に霧散し、
最後には地面に力無く倒れ伏した、一人の怪物だけが残っていた。