*【Weapon】
**『書籍と羽根ペン』
生前愛用していた哲学書と執筆道具。特別な魔力を持つわけではないが、ブルーノにとっては剣よりも重要な武器。魔力を込めることで遠距離攻撃や文字による呪文詠唱が可能。
*【解説】
ジョルダーノ・ブルーノ(1548-1600)は、ルネサンス期イタリアの哲学者・天文学者。ナポリ王国のノーラで兵士の子として生まれ、17歳でドミニコ会修道院に入ったが、当時の主流だったアリストテレス学説やスコラ哲学に疑問を持ち、コペルニクスの地動説を支持したため異端の嫌疑をかけられた。
28歳でイタリアを脱出後、フランス、イギリス、ドイツなどヨーロッパ各地を放浪しながら、『原因・原理・一者について』『無限、宇宙および諸世界について』『英雄的狂気』などの代表作を発表。コペルニクスの地動説をさらに発展させ、「太陽さえも一つの恒星に過ぎず、宇宙は無限で無数の世界が存在する」という驚異的な宇宙観を提唱した。
しかし1592年、ヴェネツィアで異端審問に逮捕され、7年間の獄中生活の末、1600年2月17日にローマのカンポ・デ・フィオーリ広場で火刑に処された。最期まで自説の撤回を拒否し、「裁かれている私よりも、裁いているあなた方の方が、真理の前におののいているではないか?」という言葉を残した。
サーヴァントとしてのブルーノは、時代の無理解と偏見によって葬られた怨念から、アヴェンジャーとして現界する。彼の復讐対象は、無知を自覚せず、蒙昧であることを恥じず、薄っぺらな知識で他者を踏み躙る愚か者たち。真理を追求する者には慈愛深く、知的好奇心を否定する権威主義者には容赦ない。
*【外見・容姿の詳細】
ドミニコ会の黒い修道服の上に、哲学者らしい簡素な茶色のローブを羽織っている。身長は当時の標準的な男性より少し低く、細身だが引き締まった体躯。顔立ちは知識人らしく端正で、特に眼差しに強い意志力が宿っている。
琥珀色の瞳は、時として金色に輝き、深い洞察力を感じさせる。栗色の髪は肩にかかる程度の長さで、修道士らしく整えられている。手には生前に数多くの書物を扱ったことによる、インクや羊皮紙の匂いが染み付いており、時折火傷のような痕が浮かび上がる。
戦闘時は、周囲に星座や惑星軌道のような光の輪が浮かび上がり、無限の宇宙空間を連想させる神秘的な雰囲気を醸し出す。
*【人物・性格】
本質的には真理への純粋な愛と探求心に満ちた学者気質だが、アヴェンジャーとして現界したため、無知と偏見に対する激しい怒りを内に秘めている。知識欲旺盛で議論好きだが、相手が誠実に学ぼうとする意志を見せれば、喜んで教師となる。
一方で、権威にただ盲従し、自分の頭で考えることを放棄した者や、既得権益を守るために真理を歪める者に対しては容赦ない。特に「自分は正しい」と思い込んで他者を断罪する偏狭な宗教者や学者には、生前の体験もあって強い嫌悪感を示す。
基本的に優しく寛容だが、議論においては妥協を知らない。論理的思考を重視し、感情論や権威論証を嫌う。同時に、ヘルメス主義的な神秘思想も受け入れる柔軟性を持つ。
マスターに対しては、その知的レベルと誠実さを重視する。学歴や地位ではなく、「真実を知りたい」という純粋な欲求があるかどうかが判断基準。
イメージカラー:深い紺色(夜空の色)
特技:天体観測、記憶術、哲学的議論、多言語会話
好きなもの:星空、書籍、誠実な議論、学問への情熱
嫌いなもの:権威主義、盲信、無知の肯定、思考停止
天敵:偏狭な宗教者、思考停止した権威主義者
願い:無知と偏見の根絶、真理の普及
【一人称】私
【二人称】貴殿、あなた(敬意を込めて)/貴様(軽蔑を込めて)
【三人称】彼、彼女、その者
*【台詞例】
「無知を許そう。人は誰しも最初は何も知らぬのだから。蒙昧を許そう。人は誰しも見誤ることはあるのだから。だが、己が無知であることに気付かず、蒙昧であることを糾さず、誰かから教わっただけの薄っぺらな真理を信じ、押し付け、それ以外を踏み躙る盲目なる愚か者を、私は決して許しはしない」
「宇宙は無限です。地球も太陽も、この広大な宇宙の中では一つの点に過ぎません。そして無数の世界には、我々と同じような、あるいは全く異なる知的生命体が存在しているでしょう。これを認めることが、人間の傲慢を正す第一歩なのです」
「私が火刑台で燃やされたのは、真理を語ったからではありません。権威者たちの虚構を暴いたからです。彼らは自分たちの間違いを認めるよりも、真実を語る者を殺すことを選んだのです」
「マスター、貴殿は疑問を抱くことを恐れてはいけません。確かに疑いは不安を生みますが、盲信は魂を腐らせます。真理への道は険しいですが、歩く価値のある道なのです」
「この星空を見てください。これら全てが、神が創造した無限の宇宙です。地球だけが特別だと考える傲慢さこそが、人間の最大の罪なのです」