『牙鮫会』に所属する魔術使い。中国出身の26歳男性で位階は乳牙。
代々壺や書画、金属細工等の骨董品の買い付けと修復を専門にしていた家系の出身。
両親の元で修復技術を磨きつつ裕福ではないが穏やかな日々を過ごしていたが、中国の経済発展に伴うバブルの到来でその運命は一変する。
骨董品ブーム到来で取引が活発になった事に伴い急に収入が増えた両親は贅沢三昧を始めたものの、バブル崩壊によるブーム終了で収入が減ったにも関わらず生活レベルを落とせず借金塗れになるというありがちな末路に加えた。
更に借金を重ね本業の骨董品の仕入れで一発逆転を狙うも贅沢で曇った目で鑑定など出来る筈がなく、高額で偽物を掴まされ完全に手詰まりに陥った。
結局金融会社の背後にいた『牙鮫会』に目をつけられ、骨董品修復技術を転用した贋作作りに従事する事を借金返済の代用とする契約を結んだ。
勾奄は当初人質にされたも同然な両親を解放するために贋作作りに手を染めていたが、作成した贋作が高額で売れ始めた事からある感情を抱く事になる。
「自分はいずれ真作を超える贋作を作れるようになるのではないか?」と、
褒められたものではない創作意欲の元に多くの贋作を生み出した勾奄は上役の目に留まり、初歩的な錬金術と練丹術、更に最新の科学鑑定技術を教えられた事で贋作作成の精度は更に向上。
このまま研鑽を続ければ遠からず柱牙の地位にも手が届くだろう。
贋作作成の技量に自信を持ってはいるが決して現状に満足しておらず、常に真作に迫る方法を考え技量を磨き続けている。
そういう意味では紛れもない職人・芸術家であると言える。
なお、息抜き感覚で紙幣の偽造も行っている。
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「真作を超える贋作こそが、真の芸術なのかもしれないな」
*基本情報
【氏名】截 勾奄(せつ こうえん)
【性別】男性
【年齢】26歳
【出身】中華人民共和国
【身長・体重】172cm・65kg
【肌色】やや浅黒い
【髪色】黒
【瞳色】黒
【スリーサイズ】-
【外見・容姿】中背中肉の体格で、骨董品修復作業により細かな手先の動きに長けている。常に慎重な表情を浮かべており、鑑定眼を鍛えるために養った観察力の鋭さが瞳に宿る。服装は実用性を重視した地味な色合いのものを好む。
【属性】中立・悪
【魔術系統】中国錬金術・練丹術
【魔術属性】土・金
【魔術特性】物質変換・複製精度向上
【魔術回路】質:C 量:D 編成:正常
【起源】『模倣』
【所属】牙鮫会(位階:乳牙)
【契約サーヴァント】不明
*魔術・特殊技能・特性など
**錬金術(基礎)
中国系錬金術の初歩的な技術。金属の性質変化と物質の材質操作に特化している。主に贋作制作の精度向上に使用される。
**練丹術(応用)
中国伝統の物質精製術。原材料の純度向上と不純物除去により、本物により近い質感と重量感を再現する技術。
**物質分析
科学的鑑定技術と魔術的知識を組み合わせた独自の分析手法。対象の年代、産地、製法を詳細に特定できる。
**複製技術
家業から受け継いだ修復技術を応用した贋作制作技術。錬金術で材質を調整し、時間経過による劣化まで再現する高度な技法。
*礼装・装備など
**鑑定用具一式
年代測定器、成分分析器、顕微鏡など科学的鑑定に必要な道具類。魔術的感知能力と併用することで真贋判定の精度を大幅に向上させる。
**工房道具
贋作制作に使用する各種工具と材料。特に金属加工用の道具は牙鮫会から支給された高品質なものを使用。
**『偽造通貨製造キット』
息抜き用に製作した紙幣偽造道具。本業ではないが技術の幅を広げるために継続している副業用装備。
*外見・容姿の詳細など
長時間の細かい作業により若干猫背気味。手は修復作業による軽微な傷があるものの、指先は非常に器用で繊細な動きができる。表情は基本的に真面目で控えめだが、自身の技術について語る時は熱意を込めた眼差しを見せる。普段は目立たない服装を心がけているが、作業時は汚れを気にしない実用的な服装に着替える。
*人物像
牙鮫会の贋作制作部門に所属する魔術使い。表向きは組織の命令で仕方なく贋作を作っているが、実際は自身の技術向上への純粋な探求心が動機となっている職人気質の人物。
イメージカラー:灰色
特技:贋作製作、真贋鑑定、紙幣偽造
好きなもの:完璧な贋作、技術的挑戦、静かな作業環境
苦手なもの:大雑把な仕事、浪費、騒がしい環境
天敵:真贋を見抜く専門家、完璧主義すぎる自分
【一人称】俺
【二人称】あんた、君
【三人称】あの人、彼・彼女
**台詞例
「この真作、確かに素晴らしいが…俺ならもっと『らしく』作れる」
「贋作だって芸術だ。本物を超えてこそ意味がある」
「両親のためとか言ってたが、今はもう自分のためだな」
「牙鮫会の仕事は嫌いじゃない。技術を磨ける場所だからな」
「完璧な偽物は、不完全な本物より価値があるはずだ」
**来歴
中国の骨董品修復業を営む家庭に生まれ、幼少期より両親の下で修復技術を学んできた。平穏な生活を送っていたが、バブル経済により両親が贅沢に溺れ、その後の崩壊で家計が破綻。借金の返済のため牙鮫会に目をつけられ、技術を活かした贋作制作に従事することになる。
当初は両親を人質に取られた状況での強制労働だったが、自身の作品が高く評価されるにつれて創作への情熱が芽生える。現在では組織から錬金術と練丹術の基礎を学び、更なる技術向上を目指している。息抜きとして紙幣偽造も手がけており、技術の幅を広げ続けている。
**性格
表面的には大人しく従順な性格だが、内面には強い向上心と職人としてのプライドを秘めている。元々は家族思いの真面目な青年だったが、贋作制作の才能を開花させてからは自身の技術に対する執着が強くなった。
完璧主義的な傾向があり、一度作業に集中すると周囲が見えなくなることがある。特に「本物を超える贋作」という理想に取り憑かれており、この探求心が彼の最大の原動力となっている。組織の命令で動いているという建前はあるが、実際は自分の技術向上のために進んで困難な課題に取り組んでいる。
金銭欲は表面的なもので、真の動機は芸術的な達成感と技術の完成にある。そのため贋作制作に対する罪悪感は薄く、むしろ自分の創作活動として誇りを持っている。ただし、家族に対する愛情は残っており、両親の安全は常に気にかけている。
他人との関係では控えめで協調性があるが、自分の専門分野に関しては意外に頑固な一面を見せる。特に粗雑な仕事や手抜きに対しては強い不快感を示し、時として感情的になることもある。
**行動規範・行動方針
「技術の向上こそが最優先」という職人的な価値観に基づいて行動する。組織の命令には従うが、それが自分の技術向上に繋がる場合により積極的になる。常に完璧を目指すため、妥協を嫌い、時間をかけてでも質の高い仕事を追求する。
家族の安全は重要視するが、それと同じかそれ以上に自分の技術的成長を大切にしている。倫理的な問題よりも技術的な挑戦を優先する傾向があり、違法行為に対する抵抗感も薄い。
**役どころ・コンセプトなど
「堕ちた職人」をコンセプトとした、技術への純粋な探求心が道を誤らせたキャラクター。善悪の境界が曖昧な現代社会において、技術の進歩と倫理の問題を体現する存在として設計した。贋作という「偽物」を極めることで「真実」に迫ろうとする逆説的な芸術家像を表現している。