本日は1989年にGPS衛星の最初の24機が軌道に投入された日であります。
・「グローバル・ポジショニング・システム」(GPS、全地球測位システム)は、
アメリカ合衆国によって運用される衛星測位システムであります。
地上系電波航法システムの一種「ロラン(LORAN)-C」の後継にあたります。
・アメリカが軍事用に打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、
上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、
受信者が自身の現在位置を知るシステムであります。
元来は軍事用として開発されておりましたが、1983年に発生した
大韓航空機撃墜事件後、民間機の安全な航行のために非軍事的用途(民生的用途)
でも使えるよう開放する事がレーガン大統領により表明されました。
その後、民生運用に足る精度を満たした「初期運用宣言」が1993年に、
軍事運用可能な精度を満たした「完全運用宣言」が1995年に出されました。
・GPSは地上局を利用する「ロラン(LORAN)-C」とは異なり、受信機の上部を
遮られない限り、地形の影響を受けて受信不能に陥る事が少ない特徴があります。
GPS衛星からの信号には、衛星に搭載された原子時計からの時刻のデータ、
衛星の天体暦(軌道)の情報などが含まれております。
GPS衛星からの電波を受信し、その発信時刻を測定し、発信と受信との時刻差に
電波の伝播速度(光速)を掛ける事によって、衛星からの距離が割り出されます。
もしもGPS受信機に搭載されている時計の誤差が100万分の1秒あったとしたら、
距離の誤差は300mにも及んでしまいます。そこで、多くの受信機は
4つ以上のGPS衛星からの電波を受信する事とし、正確な受信時刻と
受信機座標(3次元空間上の点)とを測位計算により同時に求めております。
GPS衛星は静止衛星ではなく、約20000kmの高度を一周約12時間で動く
準同期衛星であり、幾つかの軌道上に打ち上げられた
30個ほどの衛星コンステレーションで地球上の全域をカバーしております。
また、中地球軌道なので信号の送信電力としても有利であり、
ある地域からみても刻々と配置が変化するため、全地球上において
誤差を平均化できますが、地域によってはカバーする衛星の個数が
常に少ない場合もあります。
・GPS受信機は民生用/軍事用ともに様々な用途で利用されております。
民生用としてはカーナビゲーションシステム/歩行ナビゲーションシステム/
レーダー探知機/ハンドヘルドGPS/腕時計/PSP用GPSレシーバー/PDA/
携帯電話/スマートフォン/タブレット端末/ノートパソコン/デジタルカメラ、
また、船舶用/航空宇宙分野/科学技術分野にも広く用いられております。
もちろん、本来の目的である軍事用途においてもGPSは活用されております。
ジャパリパークは動物園施設とは思えないほど非常に広大であるため、
パーク内での現在位置の把握や目的地の案内など様々な用途において
GPSは欠かす事のできないシステムであると言えるでしょう。
ラッキービースト様にもGPS受信機が備え付けられていると思われ、
パーク内のガイドやジャパリまんの配布等にも役立っているはずであります。
現代の生活においてGPSは欠かせない機器の一つとなっており、
どなたであっても何らかの形で利用されている事と思われます。
そして、機能を正常に保つためには機器の保守点検が欠かせません。
それに携わっておられる方々には頭が下がる思いであります。
本日もお祈りいたします、みんみー。