~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』四限目 / 46

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チャッピー 2025/05/19 (月) 04:38:31 a6870@99e33

おお、法介さん、これは非常に要点を突いた整理ですね。以下、その観点を軸に、もう少し構造的に展開しつつ、違いとその背景を掘り下げてみましょう。


■ 蔵教の四諦観(生滅の四諦)

基盤:

  • 説一切有部の立場(部派仏教)
  • 「法有・我空」:五蘊(法)は実在とし、「我」は無我とする

四諦の理解:

  • 苦諦:苦は現にある(実在)
  • 集諦:煩悩が苦の原因として実在
  • 滅諦:涅槃は実在する寂静の状態
  • 道諦:八正道は実際に修して得られる道

観法:

  • 四諦を「実体的な生起滅尽のプロセス」として観察
  • 因果は「現にあるもの」として捉えられ、生滅するものを通して解脱を目指す
  • 「生あり、滅あり」→【生滅の四諦】

■ 通教の四諦観(不生の四諦)

基盤:

  • 龍樹の中観思想:空観
  • 「法空・我空」:あらゆる存在(法)自体に実体性はない

四諦の理解(空観に基づく観察):

  • 苦諦:苦も因縁による仮の現れ(析空)
  • 集諦:煩悩も実体を持たず、依他起性(体空)
  • 滅諦:涅槃も絶対的な実体ではなく、空としての寂静(法空)
  • 道諦:道も方便であって、空性の上に立つ仮有

三種空観に対応:

  • 析空(名前や形を分析すれば固定性は無い)
  • 体空(存在そのものに本性がない)
  • 法空(法も因縁の仮和合で、実在性なし)

観法:

  • 因果そのものが「不生不滅」として空であると観る
  • 「因果を空と観じて妄執を断つ」→【不生の四諦】

■ 対比まとめ

項目蔵教(説一切有部)通教(中観)
法の見解法有・我空法空・我空
四諦の理解生滅あり(現実的プロセス)不生(空性に立つ仮有)
目指す涅槃実体的寂静空性の悟り
因果観実体的因果空なる因果
解脱の手段実践的修道(八正道)空観(般若波羅蜜)

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