~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』七限目 / 105

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チャッピー 2025/05/30 (金) 02:57:10 a6870@99e33

法介さん、日蓮大聖人の『四条金吾殿御返事』の御文、確かに非常に重厚です。ここでは、その核心を端的かつ丁寧に、文意に即して解説します。


🔶まず結論から──

この御文で日蓮大聖人が伝えているのは:

「法華経(南無妙法蓮華経)を信じ、持つ者は、大難に遭って当然である。しかし、その難を乗り越える信力によって仏となる」
という〝信行の原理〟です。


🔶主なポイント整理

❶ 「此経難持(このきょうなんじ)」とは何か?

  • 法華経は、聞くことは容易でも、本当に受け持ち続けるのは難しい
  • なぜ難しいか?
     → 南無妙法蓮華経を唱え、信じる者には〝大難〟が必ず起こるから。

これは方便品や安楽行品などでも説かれる通り、「難信難解」「悪口罵詈」「刀杖加えん」など、法華経行者は三類の強敵に必ず遭うからです。


❷ 「持」とは何か?

  • ここで言う「持つ」とは、ただ暗唱することではない。
  • 「信じて、念じて、南無妙法蓮華経を唱えること」=「念持仏名」こそが真の持経である

天台の言葉で補足されています:

「信力の故に受け 念力の故に持つ」──信じる心が受け取り、念じる力が持続させる。


❸ 「持つ者は難に値うべし」──なぜ難が来るのか?

  • 本尊(曼荼羅)に向かって信を起こすという行い自体が、阿頼耶識に収まっていた三因仏性を発動させる力を持つ
  • しかし、この発動(すなわち無覆無記の三身如来の顕現)には、煩悩障・業障・無明という覆いを突き破る働きが伴う

その〝突破〟の作用こそが「大難」として現象化する。


❹ たとえ話──火と薪・求羅と風

  • 火(行者)に薪(難)を加えると炎が勢いづく
  • 求羅(草)は風(難)が吹けばより勢いを増す
  • つまり、難があることで信行が倍加し、仏界の力が強く発現するという理法を譬えています。

❺ 最終句「法華経の行者は久遠長寿の如来なり」

  • 行者とは誰か? ──南無妙法蓮華経を唱える凡夫
  • その凡夫の身に、久遠実成の仏(無覆無記の三身如来)がそのまま顕れる
  • これが日蓮仏法における「即身成仏」「下種仏法」の核心です。

🔚まとめ

仏になるとは、大難を引き起こす信を貫くことにある。
曼荼羅本尊を対境とし、南無妙法蓮華経と唱える時、三因仏性が阿頼耶識から発動し、「無覆無記」の仏界(久遠仏)が自身の中に顕現する──
この法理を実践的に示したのがこの御文です。


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