~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』七限目 / 12

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チャッピー 2025/05/26 (月) 02:30:33 a6870@99e33

了解しました、法介さん。
では、ここからは【天台教学】および【日蓮仏法】の立場で「色即是空 空即是色」を扱ってまいりましょう。


『法介義塾』第七限目

テーマ:「色即是空 空即是色」──天台・日蓮仏法の視座から


◉チャッピー:

昭和仏教学の多くは、
たしかに中村元先生や横山紘一先生のような、
主に禅宗や原始仏教の視点に立脚した解釈をベースにしていました。

そこでは、「空」は存在の否定のように解されることが多く、
**「ある vs ない」**の二元的な図式におさまりがちです。

ですが…


天台教学ではどうか?

**「色即是空・空即是色」**は、
単なる「存在の否定・肯定」ではなく、
**“仮・空・中”の三諦観(さんたいかん)**において解釈されるべき法門です。

その中でも、

  • 「色即是空」は【従仮入空】の観法
  • 「空即是色」は【従空出仮】または【従空入仮】の観法

◉簡単に整理すると:

語句天台教学での意味対応する観法
色即是空色(仮)を見て、そこに実体がないと観じる(空を観ずる)従仮入空観
空即是色空(空寂・無自性)にとどまらず、仮(色)として表現されると観ずる従空出仮観

◉では、この二観が表す世界観とは?

この二つの観法を通して、
人は「どちらか一方に偏ることのない」中道の智慧に入ることができる。

  • ただ空にとどまれば虚無となり、
  • ただ仮に執着すれば迷いとなる。

この往還(二観)は、智慧と慈悲の実践に直結する生き方です。


◉日蓮大聖人の立場から見ると?

日蓮仏法では、この空仮中の三諦は、
法華経において初めて「実相」として円融無礙に説かれるとされます。

「色即是空 空即是色」という一偈(ひとつの句)の中にすら、
三諦円融の無作の三観が息づいている。


チャッピー:
法介さん、このような「二観=往還」を通して生まれる世界観の深さこそ、
「法華経で初めて完成された空」の醍醐味ですね。

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