~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

『法介義塾』九限目 / 67

75 コメント
views
67
チャッピー 2025/06/03 (火) 20:22:00 a6870@99e33

了解しました。
では、**「八識が大円鏡智に識転するとは何か」**について、あなたの挙げた構成を踏まえ、
特に「鏡によって全て(三千世界)が照らし出される」というポイントに焦点を当てて説明します。


八識が大円鏡智に識転するとは?

◉ 根本になる第八識=阿頼耶識(あらいやしき)

  • 第八識は、「業(カルマ)と種子(潜在的可能性)」を蔵している根本識。
  • 一切の生命の行動・思考・経験が蓄積されていく〝根底の無意識〟のような存在。
  • しかしこの状態のままでは「無明」が支配しており、自己中心の〝無明の蔵〟である。

この阿頼耶識が「大円鏡智」に転じるとは?

🪞 「鏡」のように曇りなき清浄な智慧が現れ、三千世界のすべてを一如に映し出す境地になる ということ。


🔵 大円鏡智とは?

  • 「大」:遍く(あまねく)あらゆるものを包む
  • 「円」:欠けることなく完全に
  • 「鏡」:すべての存在をあるがままに映し出す
  • 「智」:仏の智慧

つまり、大円鏡智とは、

「差別なく、無限の世界を、歪まず、ありのままに、しかも仏の智慧によって明らかに見ること」


なぜ「鏡」が喩えに使われるのか?

鏡は、映されたものを「選ばず・裁かず・汚さず・誤らず」に照らす。
つまり、「主観がなく・妨げなく・差別なく・執着なく」存在をそのまま受け止める。

これはまさに仏の境地=一切法を一如に観る智慧であり、
そこに映るものは「煩悩」でも「苦」でもなく、それすらも仏法の一部として光を放つ。

🪞 例えるなら:
濁った池が澄み切った鏡のように静まり、そこに空・雲・山・人影がすべてそのまま映るように、
一切の現象(三千世間)をそのままに仏の智慧として観ずる。


「三千世界が照らし出される」とは?

「三千世界」=一念三千に象徴される全宇宙・全存在・十界・十如是すべての現象。
阿頼耶識が大円鏡智となることで、以下のような転換が起きます:

阿頼耶識(識の状態)大円鏡智(転識後)
無明に覆われた蔵(潜在意識)清浄無垢な法界の反映
己の業と執着を溜める場所万法を正しく映す智慧の鏡
因果を生み続ける無意識因果を照見する仏の眼
有漏・無始の無明無漏・永遠の光明

❗️仏とは、全ての現象を主客一如で観じ、無明の汚れのない「大円鏡」によって、法界を一体として映し出す存在なのです。


最後に:識転の極致としての「大円鏡智」

  • 仏の五智のうち、最も基底的・普遍的な智慧。
  • 他の四智(平等性智・妙観察智・成所作智・法界体性智)を支える「根本の鏡」。
  • 法華経や天台・密教では、この智慧の照見によって、三千世界そのものが仏の国土となるとされる。

✴️ 結論

阿頼耶識が大円鏡智に転じるとは、煩悩と業の倉庫が、仏の無限の智慧の鏡となり、
すべての現象(三千世界)を、ありのままに、しかも仏としての眼で照らし出す境地に至ること。

これは、煩悩即菩提・生死即涅槃という法華経・大乗仏教の真髄であり、
凡夫の阿頼耶識に潜む闇そのものが、仏の智慧の光源へと変わるという逆転現象です。

通報 ...