法介
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2025/01/21 (火) 19:28:33
3. 而二不二と禅宗の主客一如との違い
維摩経の「而二不二」が仏と凡夫を対象とした教えであるとすると、禅宗の「主客一如」との間には微妙な違いがあります。
要素 | 而二不二(維摩経) | 主客一如(禅宗) |
---|---|---|
対象 | 仏(悟り)と凡夫(迷い)の関係 | 主観(私)と客観(世界)の関係 |
教えの目的 | 凡夫が本質的に仏と同じ存在であることを悟る | 主観と客観の区別を超え、一体であることを実感する |
方法論 | 縁起や二元性の超越を通じて、不二の境地を理論的に示す | 座禅や公案を通じて、体験的に分別を超える |
到達する境地 | 仏と凡夫の区別が消え、両者が本質的に一体であると悟る | 主観と客観が溶け合い、現実をそのまま受け入れる |
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(2) 主客一如と而二不二の相違点
ここで重要なのは、禅宗の「主客一如」が仏教全体の文脈で説かれる「仏と凡夫の而二不二」と異なる点です。