(2) 主客一如と而二不二の相違点
ここで重要なのは、禅宗の「主客一如」が仏教全体の文脈で説かれる「仏と凡夫の而二不二」と異なる点です。
要素 | 仏と凡夫の而二不二 | 禅宗の主客一如 |
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対象 | 仏と凡夫の関係 | 主観(私)と客観(外界)の関係 |
目的 | 仏性の普遍性と凡夫の悟りへの可能性を示す | 分別を超えた直接的な体験を通じて悟りを得る |
教えの背景 | 救済論:凡夫が仏に至る希望を与える | 修行論:分別を超えた現実そのものを体験する |
方法論 | 煩悩を菩提に転じる修行 | 主観と客観の区別を手放す座禅や公案 |
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