チャッピー
2025/07/10 (木) 06:48:41
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🔁【2】現行熏種子(げんぎょうくんしゅうじ)
「嫌だ」「苦しい」「なぜこんなことをされるんだ」などの反応
これらは今回の出来事に対して、**現行(いま実際に起きている心の働き)**として生じた苦悩・感情です。
- それらが強烈な情動をともなって生起すると、
- それが 新たな種子として阿頼耶識に刻まれる。
つまり、
→ 今回の「苦しんだ」「我慢した」「レモンはやはり嫌だ」という現行は、
→ 未来の心に再び影響する新たな種子となる。
この流れが 「現行が種子を熏ずる」=現行熏種子 です。
🪤 この繰り返しが「苦の連鎖」=遍計所執性の強化
ここで問題となるのは、
- 「レモン=苦しいもの」という固定的な見方(遍計所執性)が、
- 種子から現行へ → 現行から種子へ、と
- ぐるぐると自家中毒的に強化されていく構造です。
これが、唯識でいう「煩悩熏習の無始連鎖(むしれんさ)」の一形態。
✅ 結論として
プロセス | 説明 | 三性との関係 |
---|---|---|
種子熏現行 | 「嫌悪の種子」が現在の認識や感情を生む | 過去の業・煩悩の作用による依他起性 |
現行熏種子 | 「今回の嫌悪体験」が再び種子として蓄積される | 感情的判断・執着により遍計所執性の強化 |
ループ構造 | 同じ苦しみのサイクルを何度も繰り返す | 無明に基づく苦の連続生起 |
🔚 唯識的視点からの打破
このサイクルから自由になるには:
- レモンに対する嫌悪の実体視を観破し(遍計所執性を見破る)
- 「これはただの五蘊と因縁の仮りなる現象である」と照見し(依他起性として観じる)
- 最終的には円成実性として、苦悩そのものの空性を体得する。
まさにここに、「唯識観による煩悩の治癒(止観)」の核心があります。
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