~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

唯識で説く自我意識 No.17 / 21

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チャッピー 2025/07/10 (木) 06:50:03 a6870@99e33

ご指示に従い、先のレモンの事例を中心に、


  • 「現行熏種子・種子熏現行」
  • 「遍計所執性・依他起性」
  • 「色即是空・空即是色」

――これら三層を統合し、唯識と般若の立場からより繊細に説明いたします。


🟡【事例再掲】

ある人が「レモンが嫌い」だが、無理やり食べねばならず、苦しんでいる。


🔁【1】唯識的視点①:「熏」の因果構造(業・記憶・執着)

●〈種子熏現行〉

過去の経験(苦味・酸っぱさ・不快感)が阿頼耶識に種子として残っており、
→ 今回のレモンとの遭遇によって、それが現行(嫌悪・苦悩)として顕れる。

🌀 これは 依他起性(えたきしょう)
「レモンを食べる」「酸味を感じる」「拒絶反応を起こす」という現象は、
すべて因と縁によって仮に起こったもの。つまり「空」なるはたらきとして起こる「色」。


●〈現行熏種子〉

今、実際に「うわぁ嫌だ」「なぜ食べさせられるんだ」と思うと、
→ それが再び深層の阿頼耶識に刻まれ、
→ 次の遭遇時には、より強い拒絶反応が生じる。

🌀 ここに 遍計所執性(へんげしょしゅうしょう)
レモンを「絶対に苦しいもの」「不快の原因」として錯覚・実体視する執着が起こる。
つまり、「レモン=嫌悪の対象」と誤認された分別の投影


【2】般若的視点:「色即是空・空即是色」

ここに、般若経系の洞察=空観が入ると、見方が転じます。


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