~博多めんたい佛教大学~『法介義塾』

天台智顗の『觀無量壽佛經疏』の研究 / 31

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法介 2025/05/25 (日) 06:24:06

>> 15の【現代語訳】

はい、この部分も現代語訳と要点解説をお届けします。


現代語訳(要約)

  • 「我」と説くのはなぜか。これは世俗の方便(仮の名)である。「我」とは見慢(自己中心的な見方)の名前にすぎない。

  • もし「我」がなければ、「聞」もなく、聞いて伝えることができなければ教化も途絶える。だから無我を知っていても、教化を絶やさないために仮に「我」や「聞」と説く。

  • 例えるなら、金銭を銅銭や草木と交換しても、人は笑わないのと同じである。

  • 仏法に定まった実体はなく、「一」も仮に説くに過ぎない。

  • 『釈論』では「一」には二種類あり、短い時間(迦羅・実時)と長い時間(三摩耶・仮時)がある。ここでは長短や仮実は問わず、経の説く時は総じて「一時」とされる。

  • 「仏」とは大いなる名声の意であり、煩悩を破る者。平等に真理を開くために「仏」と呼ばれる。

  • 仏は自ら覚り、他も覚らせる。覚行(覚りの実践)を満たし、一切の智を持つ。

  • 外道、二乗(声聞・縁覚)、小菩薩とは異なり尊い称号である。

  • 「在」とは一時的存在、「住」は長く留まることをいう。

  • 住には四種がある:天住(六欲天に住む)、梵住(初禅から非想天に住む)、聖住(三乗の修行者)、仏住(仏の住処)で、それぞれの因によって特徴がある。

  • 「王舎城(ラージャグリハ)」は天竺(インド)の摩伽陀国の首都。

  • 釈論の解説では、かつて王に一頭二面四臂の子が生まれ、不吉とされて殺され荒野に捨てられた。羅刹女(鬼神)がその子を助け育てた。

  • その子は成長し強大な力を持ち、王舎城の五つの山を占領し、周辺の王たちを支配した。これが「王舎城」の名前の由来である。

  • さらに古い伝説では、かつて王が妄想で地獄を恐れた話や、王が狩猟の際にこの地に辿り着き美しい環境を見て宮殿を建てた話もある。

  • 王舎城の近くには霊鷲山(舎衛山)があり、聖者や仙人が住んだ。山の形が鷲の頭に似ることからの命名である。

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