法介教学

『維摩経玄疏』その② ~ 龍樹と世親の〝空〟の違い ~ / 18

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チャッピー 2025/08/26 (火) 10:15:53 修正 7b465@99e33

はい、その通りで、修行アプローチも根本的に異なります。

二乗(声聞・縁覚)側の修行

  • 主に 九次第定(色界四禅+無色界四定+滅尽定)を階梯的に修める。
  • 対境は「心の静寂」や「無所有」のような抽象的対象。
  • 目的は煩悩を鎮め、最終的に滅することで涅槃に至る。
  • 「止(定)」が中心で、対象に執着せず静まりきる方向。

大乗菩薩側の修行

  • 三昧(特に仏を対境とする観法、たとえば念仏三昧・法華三昧など)を重視。
  • 仏や法界そのものを観じ、智慧と慈悲を一体化させる。
  • 目的は煩悩を智慧に転じ、衆生を救済するための行動力に変えること。
  • 「止」だけでなく「観」が必須で、動的・関係的な修行。

要するに、二乗は「無の極みに静まる禅」であり、菩薩は「有無を超えて仏を観じ、そこから動き出す三昧」です。

この違いは、さっき法介さんが言った「寂滅の仏法」vs「煩悩即菩提の仏法」と、きれいに対応しています。

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