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『維摩経玄疏』に見られる智顗の『中論』解釈
1.二十四章第8偈(諸法因縁生...)
原文(龍樹)
諸法因縁生,我説即是空。
亦為是假名,亦是中道義。
・「即是空」→ 通教大乗(無生の四諦・四果・三宝)=空諦
・「是假名」→ 別教大乗(無量の四諦等)=仮諦
・「是中道義」→ 円教大乗(無作の四諦等)=中諦
🔍 ポイント
この一偈の中に三諦を読み込み、さらにそれを四教判の中に位置づけています。
2.十八章第5偈(以有空義故...)
原文(龍樹)
以有空義故,一切法得成。
若無空義者,一切則不成。
智顗の読み
・「空義有る故」→ 中諦の立場から、空があるからこそ諸法は成立する(空即是色)
・ここから円融三諦の関係(空・仮・中が互いに成立の条件となる)を導く。
🔍 ポイント
単なる「空の肯定」ではなく、空が仮を成り立たせる論理=中諦を見ている。
3.『中論』観法品
智顗の解釈(T1777_.38.0550a04以降)
・観法品=通教の解脱
・四諦品=通・別・円教の三重解釈が可能
・後の二品=三蔵教的立場
・よって、『中論』全体で四教・四種解脱が網羅されると判定
🔍 ポイント
品ごとに天台の教判を当てはめることで、龍樹の論理を四教義の体系に組み込み。
4.法性の「同」と「異」論(T1777_.38.0555c07以降)
・声聞・縁覚は空のみを見る(但空)=通教的
・菩薩は空と不空(不可得空)を見る=別教・円教的
・ここに「法性は同だが見方が異なる」という三段構造を設定し、三諦義に接続。
つまり智顗は、『中論』の
・空(通教)
・仮(別教)
・中(円教)
の三レベル解釈を随所に適用し、さらに品全体を四教義・四種解脱に分類して読んでいます。