伝言板

【土曜日】D&D地獄の戦場アヴェルヌスキャンペーン / 3

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導入

バルダーズ・ゲート。悪徳の街と呼ばれる、ソード・コースト地方最大の交易都市である。
犯罪が横行し、殺人事件すら日常のこの街で主に治安維持を任されているのは、”燃える拳”団とよばれる傭兵団である。
大公爵アルダー・レイヴンガード卿が率いるこの組織は、正義を気にとめず、ただ力と金を求める。しかし”燃える拳”が冷酷非情の傭兵団として知られるのに対し、大公爵そのひとは概して名誉を重んじ道理を知る人物であるという評判である。

現在(キャンペーン開始時点)から遡ること一旬(10日)前のこと。大公レイヴンガードは”燃える拳”の一隊を連れてバルダーズ・ゲートを離れ、エルタレルへ外交交渉に赴いた。
エルタレルとは、チオンター川を東にさかのぼったエルターガルド国の都である。エルタレルは信仰と秩序と高尚な文化の輝かしい手本とみなされ、真逆の存在であるバルダーズ・ゲートとは長年強く反目し合ってきた。

この外交交渉は、エルタレルの大監察官セイヴィアス・クリーグの公的な招きに応じたものだが、レイヴンガードは喜んで出かけたわけではない。バルダーズ・ゲートを治める四公会議は大公爵と3人の公爵から成るが、3人の公爵が何ヶ月もかけて大公爵を説き伏せ、都のことは3人の公爵に任せてエルタレルからの招きに応じるようにさせたのである。説得の決め手になったのは、サランラ・ヴァンサンパー公爵が貴族たちや平民の有力者どもからの請願を集めたことだった。

レイヴンガードがエルタレルに着いてまもなく、未曾有の大異変が起こる。

エルタレルの都が突如として”消失”し、あとにぽっかりとクレーターを残すのみとなったのだ。

やがてエルタレルから避難民が大挙して押しかけると、エルタレル消失の噂は野火のように広がり、「次はバルダーズ・ゲートかもしれない」という恐れをかきたてた。同時に”燃える拳”団にも恐慌が広がった。強力な指導者が突然いなくなったのだから無理もない。

”燃える拳”団を制御するレイヴンガードなきいま、団の部隊長たちは治安維持の美名のもと力づくで勝手放題を働く。彼らはバルダーズ・ゲートを難民の”脅威”から守るために外へ通じる門を閉ざし、これによって事実上市民を市壁内に閉じ込める。

PCたちもまた、”燃える拳”団による門の閉鎖に巻き込まれ、足止めを食らっている。

”燃える拳”団は、緊急時の人手不足解決のため、腕のたつ者をその場で徴募し、団員として仕立て上げる(そして危険を伴う任務につかせる)ことを当然の権利として行う。

PCたちは、いかなるめぐり合わせか、”燃える拳”団の徴募により一つの部隊にまとめて召し抱えられ、任務を与えられることになった。

最初の命令は、「バジリスク門に行ってゾッジ隊長に話を聞け」というものだった……。

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