【書庫】
心と表出の結びつき、選択や意志の複雑さ難しさに興味があるのでそこらへんの本をご紹介…
人間心理・行動関係書籍
アリス・ミラー「魂の殺人-親は子どもに何をしたか-」
1983年の本で、その人はなぜ他人や自分を傷つけるようになったのかを親-子の教育関係から考える原点的な位置づけらしいです。
子供が親から受けた抑圧が長じてどのような形で外に向かっていったり内に向かっていったりしていくのか。自分が受けた心の傷に正しく気付けないでいるような状態から子供を見つめ、受けた抑圧がねじれを伴って発露してくる様を捉え、そのもっとも象徴的な例としてヒトラーなどを再解釈するような試み。
金カムの中の直接的・擬似的・概念的親子構造の中でも「歪んだ巣」に近いところにいるキャラクター、また多くの囚人の言動を考える上で特に参考になってくるかなと。
國分功一郎「中動態の世界」
「する」と「される」という能動態と受動態の関係では語りきれぬ領域の行動、能動的に選んでいるようだけれどそう選択させられているような曖昧な状態というものをこれまで哲学はどうにもうまく捉えきれていないという問題意識から、近代になっていくにつれて失われた「中動態」という態を掘り出してくることで、そのような表し難い状態を哲学上に位置付けしていく試み。
本自体は実質、失われた中動態を探しにいく言語考古学探偵小説といった趣なので、実用的な参考とはいかないかもしれないけれど、能動態と受動態の関係では語りきれぬもの、選択と自由意志というものは非常に難しいものであるという考え方を持つという意味で重要な本。
ここ最近アシㇼパに突きつけられている、自分はどう選択するのか、その選択は本当に自分がしたいものなのかという命題を深く考えていく時に参考になってくるということはもちろん、イポプテ(ないし有古)や月島、鯉登、あるいは他のキャラクターの行動も、この複雑さの中から考えていくと色々な風景が見えてくるのではないかと。