本誌210話を読んでから、そのことしか考えられないので、直近の予測になります。すみません。
〔(1)217〜230話でメンバーシャッフルが起こる : ---
これまでにも、尾形の脱走と加入、土方勢力とアシㇼパ勢力の共闘、網走監獄での裏切りと先遣隊結成など、印象的なメンバーシャッフルがありましたね。敵味方が目まぐるしく入れ替わり、思いがけない化学変化を見せるのが、『ゴールデンカムイ』の見どころのひとつではないでしょうか。
『ゴールデンカムイ』は、9巻以降、1の桁が「1」の話数から、10話ずつが収録されています。そのため、単行本収録の終わりの方になる、1の桁「7、8、9、0」あたりの話は、見せ場や区切りがくるように調整されている気がします。例えば、「177〜179話」では長谷川写真館編が、「188〜190話」は尾形・キロランケとの流氷の上の決着が、「197〜200話」では鯉登少尉の過去が描かれました。
「207〜208話」では登別編が決着し、「209話」は谷垣とチカパシの感動の別れがありました。めっちゃいい話! でも、鶴見と電報でお話している月島軍曹が都合よく見つけてきた「通りすがりの馬橇」めちゃくちゃ怪しいし、ここで罪のない子ども・老人・動物を切り離し、後顧の憂いを絶って、さあ地獄へ突入するぞってことでは!? 1度ハートフルな話を挟んで緩急をつけて、一気につき落とそうという野田先生の演出でしょう?と戦線恐々としていたらあの210話でした。
これを踏まえて、私は、樺太を出る前にもうひと騒動があり、次の見せ場である「217〜230話」でメンバーシャッフルが起こる、具体的には鯉登少尉が鶴見少尉のもとを去る、と予測しています。なぜなら、鯉登少尉の「鶴見中尉スゴ〜〜〜イ!!」という反応は、演技だと思っているからです。
鯉登少尉は、尾形に「バルチョーナク」と言われてから、狂言誘拐を疑っていました。それを黙っていることもできたのに、月島を信じたくて、あえて「覆面の中にはお前もいたのか」と問いただしたのです。
それなのに、月島は質問には答えないし、「あの男…」と急に鯉登少尉に分かるわけがない奉天の話をし始ます。怖い。鯉登少尉も完全に引いて恐怖に引きつった顔をしているように見えます。月島の「胸にしまっておいた方が賢明です」という言葉は、「今なら私の胸にだけ秘めておきます。考え直してください」という警告でしょう。「いざとなれば鶴見中尉はあなただって平気で消す。そしてその汚れ仕事をするのは私です」とまで言う。
あの場で身の安全を確保するためには、鶴見中尉に心酔し続けているふりをするしかなかった。しかし、興奮しているはずなのに、「鶴見中尉」と「殿」をつけない呼び方をして、訛りのない標準語で騒いでいます。
鶴見中尉の樺太到着が近づいています。鶴見中尉は鯉登少尉の忠誠心を試すつもりではないでしょうか? アシㇼパと杉元の関係も揺らぎが見られ、ロシア革命勢力、尾形、ヴァシリ、土方勢力もどう動くかわかりません。登別で噂になっていた「きれいな女」とは、家永か、インカㇻマッか、それとも別の人物なのか。浩平もそこにいるのか。もしもインカㇻマッの身に危険が及んだら、谷垣も鶴見中尉からの離反を決意するのではないでしょうか。谷垣が銃をチカパシに託したことも、どう転ぶのか心配です。とても前向きな物品の継承だったので、そう悪いことにはならないと思うのですが。
もし、メンバーシャッフルが起きるとして、鯉登が鶴見を裏切ったと判断されたなら、鶴見は鯉登を許さないでしょうね。でも、鯉登少尉なら生き延びるだろうという楽観があります。まだ果たすべき役目もあるし、満足もしていないでしょうから。不安と期待が半分ずつで、これからの展開を楽しみにしています。
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〔(2)月島が怒りを取り戻す : ---
月島の自己評価が低いことや、義務感からだけではなく主体的に鶴見についていってるということは、行動の端々から感じていました。ですから、210話を読んでも、「ああ、やっぱりそうだったか」という納得が強かったのですが、「利用されて憤るような価値など自分にはない」とまで言い切ったのは衝撃でした。
心を踏みじられて当然の人間なんていない。ひどいことをされたんだから、月島は怒っていい。月島に必要なのは、自制を学ぶことじゃない。怒りを取り戻すことだ。そう思うので、希望を込めてこれを挙げておきます。
月島自身に自覚はないのかもしれませんが、樺太でスヴェトラーナに怒ったのは、小樽の海に髪を捨てても、あの子のためにと怒ったのと同じ気持ちを残しているからだと思います。もうあの子の名前を呼ぶことはできなくても、髪を捨ててしまっても、あの子が相手じゃなくっても、今度こそうまくやれることが、きっとあるはずだと思っています。
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