26年度心理学部

26年度心理学史 / 56

56
satsukagushinri 2026/06/25 (木) 12:07:56 5adbf@252be >> 54

 包囲光配列の不変な部分を構造(パターン)として検知することが知覚であると考えるのが生態心理学です。ゲシュタルト心理学の全体性が、光のパターン(不変項)として環境に実在するとした点で、ゲシュタルトは主観ではなく実在するものと捉え直されました。この不変項は、動物が能動的に動くことによって検出されます。またその動物がどういう身体構造なのかによって検出される不変項は異なります。要素還元主義は取りません。行動主義と共通するところは、ゲシュタルト(不変項)が主観的産物であることを否定し、実在するという立場をとったところにあります。行動主義も、意識内容という主観ではなく、行動という実在するものを対象にすべきだと主張しましたね。
 ギブソンに先駆けて、行動主義と現象学を弁証法的に止揚しようとした人として、モーリス・メルロ=ポンティを挙げられるかもしれません。現象学者と呼ばれていますが、身体の役割に注目し、しかも生理学的・解剖学的身体ではなく、能動的に動き回る身体の重要性を主張したところなどギブソンそのものです。しかし彼は、光の構造の中に対象を特定する情報(不変項)が実在するというところまでは行きませんでした。
 ギブソンの考え方は、行動主義のような客観主義でなく(だから知覚体験は認める)、かつ現象学のような主観主義(環境および不変項が実在すること、すなわち単なる主観的体験ではないことを認める)でもありません。行動主義が間違いであるとギブソンが言うとしたら、まず動物の能動性を考慮していないこと、そして知覚体験といういわゆる主観的な意識経験を認めないことを挙げると思われます。
7点差し上げます。

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