【モチーフ、由来から考察+α】
・リフォン(Lephon)の由来
Liphonだと思っていたので英語の綴りがLephonであった時驚いたが、自然に考えるならば、Le Phon。フランス語における冠詞のLeとギリシア語における音を意味するPhon、直訳で『その音』。ただし、Leが唯一無二を強調し、唯一の音=神託っていう解釈の方がしっくりくる。
・ラクリミラ(lacrymira)の由来
確実にラクリモサ(lacrimosa)。キリスト教聖歌の一つで、"泣く"の意味。ちなみに余談だが、Lasting Eden追加の一つ前のアプデで行われたCytusⅡコラボの隠し曲的立ち位置であり、Deemoの初期ボス曲であるMagnoliaのCharterもlacrimosaである。マリアの称号である"悲しみの聖母"から取られ、多くの鎮魂歌に派生したものとしても知られるもの。
↓ラクリモラの歌詞
Lacrimosa dies illa,
qua resurget ex favilla
judicandus homo reus:
Huic ergo parce Deus.
【和訳】
その日は涙に満ち、灰の中からよみがえる罪ある人が裁かれる。どうか、この者をお赦しください、神よ。
この歌詞からわかる通り、怒りの日"Dies irae"とほとんど同義。実はお月様交響曲による楽曲Dies iraeはver6.0.0前最後の追加楽曲であったりもする。そして、Dies iraeとLacrimosa dies、Arcaeaの死者の蘇生という特異は妙に共通している。
まあ話を戻すと、ラクリミラの名前の由来はラクリモサと、もう一つの要素であるラテン語で不思議な、或いはギリシア神話における運命の三女神モイラを由来とするミラ(mira)を組み合わせたものがラクリミラである、と推察できる。
余談になるが、同じくミラという名前がつくモノとしてモンスターハンターシリーズのミラボレアス、ミラルーツ、ミラバルカンがいる。その三種の古龍の祖とも言うべき"ミラ"の英語名は"Fatalis"だったりする。これはFatalis光とラクリミラが同一の権限を持つ存在であるという示唆なのか、Guyさんがモンハンファンなのか。(と思ってMonHunでGuyさんのXアカウントを調べたらそこそこヒットしたけど大ファンというわけではなさそう?)
・ネール(Nell)の語源
NellというのはEleanor(エレノア)の短縮系。エレノアの語源であるAliénorの意味は、財産(リフォンの力のこと?)の所有権を移動された人という意味、あるいは光という語源を持つHelenの短縮系もNellであるから、そののどちらか。
・エル(L)の語源
אל 、ヘブライ語で神の意味を持つ。天使名に〇〇エルが多いのはここから転じているから。
・マヤ&ヴィータの語源+α
マヤは恐らくインド哲学におけるマーヤー。端的に言うならば幻を意味する言葉。しかし、マーヤーの本質的な意味は虚偽であり、古代のインド哲学者シャンカラによると"ブラフマ=存在の核"が"マーヤー=虚偽の外殻"に覆われて"神=イーシュヴァラ"になるのである。もう片方のヴィータ(Vita)の意味について、Vitaが意味するところはイタリア語やラテン語で言うところの"生命"。ここで着目したいのが生命こそ"存在の核"とも言えるべきものであり、先ほどの哲学論と組み合わせるとマーヤーとヴィータを融合させることで"神"になる、ということ。20-7の「そしてネールの死によって、神の恩師をArcaeaは見つけた。」からネールは死亡が確定している。Astral Quantizationの公式X紹介文に"その魂はここで、双つになった。"という文面があることからも第六天賦究明者『佗棄』がArcaea世界において二分されたことを直接的に表していることが確認できる。
Main Story ActⅡ Lasting Eden Chapter 2 16-1にある「つまりね、キミの魂は枝分かれしたんだ……」という発言とこの紹介は合致するし、「待ってて、きっと手に入れるから。キミと、もう一人のキミを……」とラクリミラの愛す"キミ"が分裂した描写をしている。
また、ラクリミラはマヤに対して世界を移動中にキミの歌をずっと脳内再生していたと言っていた。20-3でも音に関することを話していたとはいえ、割と突拍子もなく
「ネール、なにか、歌って、くれない?」
と歌を求めていたし、こんな要求はネールの歌をエルがよく聴いているかネールの歌がめちゃくちゃに好きかのどちらかであると考える方がかなり自然である。どちらでも、脳内再生していたのに筋は通る。
やはり、マヤ+ヴィータ=ネールは間違っていないように思う。ネールは"現人神"であったわけだし。
それと、「ネール個別で実装されてるんだからネール本人がArcaea世界にいる」と仰っている方は自分のアカウントのキャラ一覧を見てみてください。Fatalis光とFrcature光とZero光と通常光が同時に存在しますから、そういうことです。
・テラ(Terra)の語源について
ラテン語で大地を意味し、またローマ神話における原初であり大地の女神テルースと同一視されるもの。
・リフォンのモチーフについて
"リフォン"によって支えられる7つのテラと1つのテラ(心臓)。これは間違いなく北欧神話における"ユグドラシル"が支える9の世界の相関と同類である。(リフォンは8つの世界だが、これは後述の仮説によって解決する)また、骸によって世界が創造されている点は北欧神話における巨人ユミルの骸によって作られた世界と共通している。
さらに言えば、創造主が弟子?であった創形師に倒されたという設定すらオーディン、ヴィリ、ヴェーに倒されたユミルと酷似しているため、リフォンのモチーフは北欧神話で確定であろう。
追記:"埒外の力と強大な存在を誇る巨人が一、その死の上に生い茂る生命の庭。"と書いてあった。流石にユミルをモチーフにしているだろう。20-1も最初の文に巨神って書いてあるわけだし、リフォン世界も神と同じくリフォンと称されるのはリフォン世界=リフォンの骸だからなんですかね。
余談ですが、リフォンが死んだのは2000年以上前と表記されています。進撃の巨人の始祖ユミルでしょうかね?笑
・ラグランジュについて
再度Side Story の最後のパックになった彼女。基本的にラグランジュのストーリーはAct ⅡというよりもFinal Verdictの行く末やArcaea世界が光の逃避行により作られたことへの示唆ということが示されたことが重要なストーリーであるが、実はまだまだ回収されていない要素が無限にあるいくら噛んでも味が出るストーリーだ。ラグランジュのボス曲はAegleseekerなわけだが、Aegleとはギリシア神話の光の妖精のこと。Aegle Seekerで分けると、恐らくニュアンス的には光の探究者となるわけだ。カロンという生命体を作り出した。さらに、Arcaea世界の最果て、そして外側であるVoidに侵入したのはそう、三人。ラクリミラと、ラグランジュ、イリス。更にvoidの最果ての先(つまるところの二番目のレイヤー)に侵入したのは、ラグランジュとラクリミラだけ。(体が解けていったらしいからマヤもあるかもしれないが)
16-7より voidの言及
___三番目の願望のレイヤー、その淵ふちにある奇妙な落書きのような線だけなのさ。境目さえ見えない、果てしない一面の黒の淵。それを酷く震える手でなぞったような、乱雑な落書きだ。
他にも、今のところseekerと直接的に出てきているのもラグランジュとラクリミラとネールのみ。更にラクリミラの名前の由来に運命の三女神モイラが入っているのに対して、ラグランジュもギリシアの女神アイグレーが関連する。
そして1番重要なのは、ラグランジュとラクリミラは両方とも「自身が神になる」という野心を持っていることだ。ラグランジュとラクリミラにはとにかく共通点が多い。よって、究明者である可能性はとても高いはずだ。(根拠は薄弱だが、絶無を冠する神はVoidを操れたイリスだとも思っている)
更にラグランジュは創造主である光とも強い繋がりを持っている。AegleseekerのジャケットにはASCⅡ16に変換するとFractureと書かれる数列がある。光はtype:創造主であることから生前は神に近しい上位の究明者である可能性がある。この場合の神というと創造主繋がりでリフォン神であり、その"核"である心臓に住んでいた天賦第十一究明者がラグランジュの可能性もある。(彩夢や無欠の願いなどに出てきたリフォンの神託に似た『Arcaeaさん』の紹介で、"Arcaeaの核に近しいものしか聞けない"という描写があることから神に近いというのは核の近しいと同義だと考えられるため。)