5月下旬のヘッジファンドによる日本買いの正体
直近で8週連続買い越し、累計11兆円超という猛烈な日本買いが観測されています。しかしその原動力の多くは、現物株ではなく日経平均先物などを利用した、元手の数倍のレバレッジ買い(投機マネー)です。外資系証券の建玉データや米CFTC統計がその明確なエビデンス(証拠)となっています。戦略の本質は合法的トラップ(罠)
レバレッジ買い(先物)には期限があるため、彼らはいつか必ずポジションを決済(売却)しなければなりません。そのため彼らの理想の出口戦略は、レバレッジで価格を不自然に釣り上げ、メディアやSNSで煽り、興奮して飛び込んできた個人投資家(実需の買い板)に自分たちの売りをすべてぶつけて優雅に売り抜けることです。この買いを誘い込んで出口にする構造そのものがトラップと言えます。トラップの空振りと流動性の罠
過去に何度もトラップで煮え湯を飲まされてきた日本の個人投資家は流石に学習しており、今回の高値には乗らず、むしろ逆張り(現物の利益確定売り)を徹底して安値待ちをしています。また、インデックス連動で自動的に買うと思われがちな国内年金(GPIF等)も、実際は資産配分比率(国内株25%)の鉄の掟が有るのだが、今回は「国内株25%」を超えたために、自動的に資産配分比率のリバランスのために売りを出す側に回ります。- 結末:行き詰まった大口の打開策
個人も年金も高値を買わないため、市場の実需の買い板はスカスカです。この出口がない状態でヘッジファンドが売いに転じると、彼ら自身の売りで価格が垂直落下し、彼ら自身が巨額の損失を出す(自爆する)ことになります。
ヘッジファンド自身は、それまで積み上げて来たレバレッジ買いポジションの解消により巨額の損失が出る(自爆する)事を覚悟の上で、猛烈な先物売りを浴びせて市場を意図的にパニックに陥れ、空売り(ショート)で爆利を狙うドテン売りへシフトする危険性を孕んでいます。
総括
現在の日本株の急騰は、実需の裏付けがない砂上の楼閣であり、いつでも逆回転して暴落(フラッシュクラッシュ)を起こすエネルギーを内包しています。なお、日本株の罠を回避した個人マネーが、新NISAを通じて米国株やオルカンを最高値圏で自動的に買い支える永続的な実需という別のグローバルな罠にハメられている皮肉な側面も浮かび上がっています。
参考
下記はヘッジファンドによるレバレッジ買いからの売りで自爆せずに巨額の利益を上げ、空売りで巨額の利益を上げて、1粒で2度美味しいと言う事。
アルゴリズムによる「ハイレバ勢、低レバ勢」をターゲットにした「織り込み済み、リスクオフ」と言う名のトラップ