一方そのころ、ハシグロアビ達はセルリアンの波からうまく逃れて、木々もまばらな少し見通しのいい野原に出ていた
「・・・うーん、ここはドコ?」
「だー、もー!やっと起きた!寝すぎだよ!」
「ウフフ・・・寝るコは育つっていうわよネ…フア~ア」
ウロコフネタマガイは二人の顔を覗き込み、目を擦った
「ん~、わたし、ウロコフネタマガイ。スケリーって呼んでネ」
「マイペースすぎない!?」
「そんなことより、今はこの現状をなんとかしないと・・・」
「なんとかって・・・?・・・今、何がどうなってるの・・・?」
「かくかく・・・しかじかで・・・今大変なのよ」
ハシグロアビは今、自分たちが ちほーがどんな状況下にあるのか
ウロコフネタマガイをどんな状況で回収したのかを詳しく説明した
「アリャリャ、そりゃ・・・大変ね。うん、大変よね・・・で、どうするの・・・?」
「とりあえずみんなと合流すべきだわ。バラバラで行動は危険よ」
「さんせい!でも、下手に動くとセルリアンに囲まれちゃうよ」
「ん・・・とりあえず、音を頼りに進んでみるしかないわねネ。うん」
「そうね、音を・・・音を・・・?」
そう言われて耳を澄ませたハシグロアビの耳には、聞きなれない奇妙な音が聞こえた
ガシャァン ガシャァン…
「・・・聞こえる?・・・何か、ものすごく嫌~な予感がするんだけど・・・」
「・・・・」
ガシャァン ガシャァン… ガシャァン ガシャァン…
まだ場所は遠いが、大きな工業機械のようなけたたましい音がちほーに響き渡る
それは彼女たちが生まれてこの方聞いたこともないような大きな音へと徐々に変わっていく・・・
「・・・こっちに、来る・・・?・・・・こない?」ヒソヒソ
「・・・こっちに向かってるわけじゃ、ないみたい・・・だけど・・・」ヒソヒソ
「・・・やり過ごせれば、幸運、ネ・・・」ヒソヒソ
ガシャァン ガシャァン… ガシャァン ガシャァン…!
幸いこちらに向かっているわけではなさそうだが、徐々に大きくなる音に戦々恐々とし声を潜めた
(音・・・・とまった・・・?)