けものフレンズBBS NEO

数年前に投稿したけもフレ1(た○き)→けもフレ2小説をこちらに投下します / 21

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匿名の字書き 2025/06/02 (月) 21:35:52 ac14f@21078

第4.1話「いんく」

「……さてと。今日も良い顔が見れたな。」
 タイリクオオカミが、自身の所持するスケッチブックを広げて言った。
 そして、そんなスケッチブックの中には、かばん、サーバル、アライグマ、フェネック、アフリカオオコノハズク、ワシミミズク、そしてカッパとツキノワグマの顔が、それぞれ描かれている。
 寝静まったバスの中。
 タイリクオオカミは5人全員が確かに眠っているということを確認すると、バス内のベンチ――アメリカビーバーとオグロプレーリードッグが協力して作った物だ――を机代わりに、インクを置いて、原稿を描き始めた。
 タイリクオオカミは集中しながら、原稿に向かい続けた。
 そして数十分が経ち、タイリクオオカミは顔を上げた。
 タイリクオオカミは背筋を伸ばすと、再び自分の描いた原稿を見つめて考えた。
 今日はもう、この辺で辞めておこう。
 タイリクオオカミはそう思うと、ラストスパートをかけはじめた。
 そして、あともう一本曲線を描けば終わり――そんな所まで進んだ、その時だった。
「オオカミさーん。なにしてるのー?」
 後ろから突然現れたフレンズがタイリクオオカミにそう声掛けた。
「う、うわあっ!」
 フレンズの声掛けに驚いたタイリクオオカミは、そんな声を上げて尻餅をついた。
 タイリクオオカミは冷静になってそのフレンズの姿を確認した。
 彼女はフェネックだった。
「ま、まだ寝てなかったのか……。(そういえばいなかったような)」
 タイリクオオカミは言った。
「いやあー。さっき暗闇の中で独りぼっちのフレンズを見付けてねー。それで話を聞いたら家がここの近くだったから、送ってあげてたのさー。」
「家に送る途中、そのフレンズには何かしたんじゃないよな……?」
 タイリクオオカミはフェネックの言葉を聞いて、そう問いかけた。
「い、いやー。何もしてないってばー。」
 フェネックは答えた。
 そして続けて、タイリクオオカミに問いかけた。
「……で、オオカミさんはなにしてたのー?」
 タイリクオオカミは両手を上げて背伸びしながら、フェネックの問いに答えた。
「ああ。漫画を描いていたんだ。今、丁度描き終わ――。」
 タイリクオオカミが原稿に顔を向けると、それはインクがこぼれ、真っ黒になっていた。
 フェネックはその光景を見ると呟いた。
「あちゃー……。」
 そして彼女……フェネックは、何か思い出した様に顔を上げると、「あっ。」と呟いて言った。
「ちょっとさっきのフレンズに返しそびれた物があったから、返してくるねー。」
 彼女はタイリクオオカミから逃げるように走り去って言った。
 タイリクオオカミは真っ黒になった原稿を見ながら頭を抱えた。

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  • 25
    ツッコミ隊長 2025/06/03 (火) 06:24:37 >> 21

    カッパのフレンズ登場なのだ
    たぶんけもフレ初なのだ
    バス水没のシーンはハラハラしながら読みましたのだ
    ツキノワちゃんはキングダムで
    たいへんお世話になったフレンズなので
    懐かしかったのだ

    26
    匿名の字書き 2025/06/03 (火) 11:31:02 ac14f@fdd98 >> 25

    https://japari-library.com/wiki/Peeping_Kappa
    たぶんぱびりおんのやつだけど、アイテムとして存在はしてたみたいなのだ

    28
    ツッコミ隊長 2025/06/04 (水) 06:11:54 >> 25

    全く知らんかったのだ
    チラッとカッパさん!
    教えてくれてありがとうなのだ