ゴルフ場にもスキマバイトスタッフ増加中
近ごろは街の飲食店に行くと、名札にスキマバイトであることを示す記載がある店員さんが増えました。店舗によってはスキマバイトさんだらけのところもあります。
ゴルフ場も慢性的な人手不足に悩んでいますが、スキマバイト募集サービスを使っているのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「私は総務担当ではないので担当者に確認したら『使っている』という回答でした。具体的には、レストランのホールと洗い場で単発バイトの方に働いてもらっています。レストランの仕事は基本的に街の飲食店と一緒ですから、定期的に働ける派遣社員を探すよりも、スキマバイト募集サービスを利用したほうが、人員の確保がスムーズみたいです」
ゴルフ場でも「スキマバイト」のスタッフを活用するところが増えている 写真:PIXTA
「賃金の支払いや労務関係の手続きも、派遣社員を雇うより単発バイトを使ったほうがラクだといっていました」
「一方で、フロント業務やコース管理業務は単発バイトの方にお任せできる内容ではありませんので、引き続き人材の採用と育成に努めています」
シルバー人材も積極的に活用して何とか現場をやりくり
それと、スキマバイト募集サービスが普及する前から活用しているのが地方自治体のシルバー人材センターです。
「クラブハウスの入口でキャディーバッグや手荷物をお預かりするポーター業務、マスター室前でキャディーバッグを乗用カートに積み込む業務、ホールアウト後に乗用カートからキャディーバッグを積み下ろす業務は、シルバー人材の方に活躍してもらっています」
「シルバー人材の方は、コースの目土作業やグリーンのボールマーク修復作業にも積極的に参加してくれるので助かっています」
「ただ、個人的には現場の仕事を単発バイトの方やシルバー人材の方に頼ってばかりでいいのかという思いはあります」
「特にポーター業務はお客様と最初に接するポジションですから、いわば“接客の顔”です。ゴルフ場のスタッフが今よりもたくさんいた時代は、支配人や営業スタッフがポーター業務を担当していました」
「でも今は、支配人や営業スタッフがポーター業務を担当していると、他の仕事が回らないんですよ。限られた人数ですべての業務を遂行するには、言い方は悪いですけど、誰にでもできる仕事は誰かに任せて、その人にしかできない仕事をやらないと、ゴルフ場を運営していくことができません」
「その結果、ポーター業務が接客サービスではなく、単なる作業になっているといわれたら、確かにそのとおりです。改善の余地は大いにありますし、何とかしたいところではあります」
「本当はゴルフに興味のある若い人たちを採用したいんです。でも、募集をかけても応募が全然ないんです。地域によっては、若い人たちの応募もあるのでしょうが、うちのゴルフ場は車で通勤できる範囲で働ける人を探すと、単発バイトの方とシルバー人材の方ばかりになってしまいます」
「だからといって、今の時代は寮を完備して若い人たちに住み込みで働いてもらうのも難しいですし、その環境を用意することもできません。うちのスタッフの平均年齢は50歳をゆうに超えていますから、若返りを図りたいところですが、打開策が見つからないのが現状です」
コロナ禍以降、ゴルフ場で若い人たちがプレーしている姿を見かける機会は増えましたが、その人たちがゴルフ場で働くには、また別の動機付けが必要なのかもしれません。
(2025.10.15 ゴルフニュース)